さ、古いプリンターも売ったし、新しいのを買おうかなー、買うのはもう決めてるしなー、と考えていた今日この頃。仕事場にあった今朝の新聞に、1面まるごと使った広告でCanonの「Super Photo Box」なる黒い長方体がででんと載っていた。
・・・はて、これは? プリンターなのか? 普段あまり周辺機器にさほど強い関心を示さないオレであったが、気になって仕事にならないので課長も巻き込んで仕事場のPCで調べてみたら、Canonのプリンター「PIXUS」の新しいシリーズだった。
今までのプリンターとは似ても似つかないカチッとした印象。何がいいかと言えば、使わないときもだらしなく突き出た給紙部分とか排紙部分のトレイが、このプリンターではきちっと畳めると言うところ。しかもこの新型は、今までのプリンターのようにボディ上部からの給紙も出来るが、ヒューレット・パッカードのプリンターのように前面からの給紙も可能なのである。そのデザインと使い勝手だけで買う価値があると思ってしまった。
発売は一部の機種を除いて10/8だそうだ。買うとしたら中級機にするつもりだけれど、ちと予算オーバー。でも買おうと思っていた機種の差額を払っても欲しいと思えるプリンターである。実機を見て、最終的に決めたいと思う。やっぱり使うなら、置いておくなら、見栄えがいいものが良いと思ってしまうのである。Canonはその辺分かっているのかも。エプソンの出方も気になるところだ。
引っ越ししてから不要になったカーテン類や、Mac OS Xでは使えないプリンターなどをヤフーオークションに出品したら、あらかた落札された。プリンターは元はもらったものなので、10円で出したら700円ちょっとだった。カーテンも売れないかと思ったが、4セット売れて4000円弱。捨てたら一銭にもならないしゴミになるし、使ってくれる人がいるなら安くても売れれば上出来。
だが前の部屋の玄関を入ってすぐのところに使っていた間仕切り用のカーテンと、それに使っていた突っ張りカーテンポールを一緒に出品したのは間違いだった。形がてんで違うモノだから、梱包するのに一苦労。手持ちの段ボールでなんとかすまそうと思ったら、写真奥のようなミョーな煙突風な格好になってしまった。みっともないけど仕方ない。
1000円で落札されたものだけれど、労働を考えると損得勘定に微妙感が漂う。梱包、手間をかけずになんとかしたいなあ。でも既製品の段ボールを買ったりするのはコストがかかるのでイヤだ。
さ、次は読まない本などを出品。不要品を減らして部屋を広く使おうの精神でやり上げる。
古本屋で買った文庫本を読んでいたら、レシートが一枚出てきた。この本を買った人が入れたのだろう。日付は1993年6月3日。もう11年も前になる。本屋は千歳烏山の京王書房。消費税は3%。時代を感じる。気になってその日の天気を調べてみたら、世田谷は朝方少し雨が降って、その日一日すっきりしない曇り空だったみたいだ。最低気温18度、最高気温24.5度だから、ちょうど今日みたいな日だったかも知れない。11年前ならまだ学生をやっていたころ。
この本は古本屋で元の半額の200円で手に入れた。内容も面白いのだけれど、一枚のレシートというタイムマシン(機械じゃないけれど)が、11年前という過去を想像させてくれたおかげで、少し愉快な時間を過ごせた。
八丈島に行ってきた人からおみやげで「島とう醤油」なるものをいただいた。要するに、醤油に八丈でとれた唐辛子をつけたもので、ぴりっとしますよ〜、というもの。
パッケージにも、
「いつものお料理をぴりっ ぴりっと和風木の子スパゲティ ぴりっと野菜炒め ぴりっと焼き肉 ぴりっと焼きうどん ぴりっと冷や奴 ぴりっと和風ドレッシング ぴりっとタレで餃子も春巻きも焼売も! 揚げ物の下味もぴりっ 刺身醤油もぴりっ 煮物料理もぴりっ」
・・・ととにかくすごいプッシュっぷり。煮物料理がぴりっていうのはどうだろう・・・?(笑) うまいかも。さて早速納豆とか、刺身醤油として使わせてもらったけれど、なかなかイケてます。よいものをいただきました。さて次は何ぴりっとさせよう〜?
テレビデオのリモコンが壊れた。・・・いや、テレビデオのリモコン受信部分が壊れたのかも。どっちにしろリモコンが使えない。仕方ないので、サードパーティ製のリモコンを買ってきたのだけれど、これがやっぱり使えない。メーカー、年式からすると使えるはずなのだけれど、「テレビデオでは使えない場合もあります」ってさ。どっちが壊れているんだろう? リモコンなら修理に出すのも簡単だけれど、テレビ本体だったらいきなり大げさになるなあ。
リモコンが動かなくなって、さっぱりテレビを見なくなった。元から見ない人ではあったが、最近はつけもしない。それでよいと言えばよいのだけれど、リモコンが動かないとビデオの予約ができないのだ。気がつけば「ちゅらさん3」やってるじゃないか。あああ、もう見逃してるよ。こんなときビデオがあればなあと思う。撮っても見ないって? 確かに。撮ったらそれで安心してしまって見ない可能性は大。結局テレビ、いらないのかも。
あちこちネットを徘徊していたら、「99ROOMS.COM」というサイトを発見。廃墟とグラフィティ(街で見かける壁などにかかれた落書き)を巧みに見せて、不思議で少し怖いビジュアルを作ってます。その名の通り、99の部屋があり、各部屋に仕掛けがあって楽しいです。場合によってはびっくりするけれど。PCのスピーカーはオンで見てくださいね。見せ方の巧みさに唸ります。
三連休(と言っても土曜は仕事だったが)の真ん中の日。証明写真を撮りに近所の写真館に行った。入り口を入るとそんなに広くない間口。大した事無いかもこのお店と勝手な感想を抱く。受付は人のよさそうなおばちゃんで、渡された紙に必要事項を書いて、料金を支払ったら「二階へどうぞ」と言われてそばのエレベーターを勧められた。あれ、この建物七階もあるのか、とそこではじめて気がついた。む、侮れないかもこの写真館。
二階に上がって待っていたら上下黒のスーツを着た綺麗なお姉さんがやってきて「準備できましたのでどうぞ」と言われる。ここでもさらに侮り難しと思わされたが、奥のスタジオに入って椅子に座って、さあ撮影と構えていたら、撮影してくれるのがそのお姉さんであるとわかり、お、いいかもこの写真館、と思ってしまう。単純だ。一枚撮影してスーツのシワを直してくれるときなんかちょっと緊張してしまったり、さらにその後何枚か撮ったときに「あ〜いいですねぇ、その柔らかい感じの表情。いいですねぇ」とほめられてなんだか実にいい気分。カメラマンに撮影されるアイドルの気分を少し味わう。仕上がりもきっといいに違いない!と都合よく考えて短い撮影は終わった。良い時間だった。
写真館から帰ってきて、連休中にやろうと思っていたモンキーのメンテをすることに。引っ越してからほとんど乗ってなかったので、あちこち汚れてみすぼらしくなってしまっている。はなさかGであちこちの汚れを落とし、チェーンや稼動部分に油を差す。で、エンジンをかける・・・がかからない・・・。やばっ、三ヶ月近く放っておいたからへそを曲げたか? キックすること10分。とここでバイカーズで蓄積されたノウハウが脳裏をよぎる。「エンジンがかからない時はまずガス欠を疑え」・・・ええ、ガス欠でした。リザーブにしたらあっさりかかった。とほほ。
プラグを抜いて掃除したり、エンジンオイルのチェックをしたりして、問題がなさそうだったのでガソリンを入れに行くことに。ガソリン、4リッター以上入った。このモンキーに乗って4リッター入れるのは初めてだ。ついでにタイヤの空気を入れてもらったのだが、店員に圧を伝えているにもかかわらず、圧のメーターを見ないで適当に入れられた。入れすぎじゃないのか? 大体愛想もないし。近所だけどもう来ない、このスタンドには。
そういえば引越し作業中、近くにHONDA WINGの店があるのを思い出したので、タイヤの圧が抜けるのを見てもらおうと思って行ってみたら、自転車とかスクーターが一緒に置いてあるような店で大丈夫かなというのが第一印象。丸顔のよくしゃべるおやじさんが出てきて、「圧はまあ抜けていくものだから。1.0が0.8くらいになるんだったら許容範囲だよ」と言われた。そうか。ついでにヘッドライトのバルブの替えがあったら買うことにしたが、そこからが長かった。自転車とバイクを売っている場所しかないと思っていたら、奥に小さいながらもちゃんとした整備工場があってばらし途中のエイプが置いてある。そこでおやじさんが延々しゃべることには、12V化しているならこのバルブじゃなくてもう少し明るいのが使えるとか、ハーネスの型番がいくつだからどーだとか、でもあちこちつぎはぎでやってるみたいだからどうかなとか、果てはお客に家にモンキー50台くらい持ってる人がいて、部屋にもぴかぴかのが置いてあるとか、などなど。
結構楽しかったのだが、何せここ、やぶ蚊が多い! じっとしているとあっというまに数箇所刺される始末。おやじさんがサービスマニュアルを見て使えるヘッドライトのバルブを調べていたら、おやじさんの腕に蚊がとまった。思わずその腕をぱちん!と叩いたら「あ〜わたし免疫あるから!(笑)」と言われた。そ、そうですか。まあ、話を聞いているとなかなか腕は確かなように思えるおやじさん。店にも30周年モデルを80CCにボアアップしている中古のモンキーが売っていたりして面白い。歩いていける距離にホンダのお店が見つかってよかった。モンキーなんかはお手の物らしい。
夕方やることが色々あったのだけれど、はまげんから前日の晩に「大島の打ち合わせで新宿で飲みます」とメールがあったので、やらなきゃいけないことは放っておいて、新宿へ。はまげんと園田さん、のぶと飲むことに。えーと、何話たっけ?(笑) ああそうそう、色々話したのだけれど、それはオフレコということで。最初の店を11時前に追い出されたので、新宿西口の「思い出横丁」へと繰り出す。初めて足を踏み入れたけれど、なかなかいい雰囲気の飲み屋横丁だねえ。そこでまたしばらく話をして、帰りの電車がなくなりそうで慌てて走り去るはまげんを見送って、その日はお開きになったのだった。
・・・全然関係ないけれど、じゃあ二、KSR2おめでとう。どこかに走りたくなったらうちにおいでなさい。
月一の土曜出勤の日。土曜は朝早くて夕方には終わるので、まだ明るいうちに外に出られた。土曜の銀座は歩行者天国。色んな人がいるなあと眺めながら歩いていると、丸っこくて人の良さそうな顔と目があった。変な格好をしている人だ、あ、大道芸人か、と思ったら、ピーター・フランクルだった。NHK教育の数学の番組なんかに出ている人が、オカシな(失礼)格好でジャグリングしたり、シガーボックスしたりするのがなんだか不思議だった。
それにしても、ジャグリングしていてもトークは数学に結びつけるのはさすが数学者。「ツギハ2ホント、2ホンデヤリマ〜ス。2タス2ハ、イクツデスカ〜〜〜?」とか「コレハ2カイテン、コレハ3カイテン、ジャ、イママデニナンカイテンシマシタカ〜〜〜?」「ブンスウハニガテデ〜ス」などなど。よく見ると、小道具に混じってトランクの上に広げられているのは、自分の数学についての著書。しっかりしてる(笑)
でも一番驚いたのは、やっぱり帽子を持って、チップをお願いし始めたとき。おお、これは数学者ではなく、全く以て大道芸人の顔だねえ。チップもらわなくちゃ食べていけないわけないはずなんだけれど、ある意味プロ根性を見た気がして気分が良かった。チップ払わなかったけど。金欠だし。1000円以上のお札なら、フランクルくん人形が貰えたんだけどな(笑)
鉄拳5のオフィシャルサイトにようやくオレの持ちキャラ「レイ・ウーロン」の画像と情報キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
いつものことではあるが、今回も最後のほうかよ。・・・とクサっている場合ではない! 「5」のレイは、「4」までのレイではなさそうだ。まさにレイ復権である。2、3、TAG、4、と主力中段技のないところをなんとか戦ってきた我らがレイであるが、今回は使えそうな中段キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!らしいのである。
しかも、鉄拳の「技のデパート」と異名をとる技の豊富さにさらに磨きがかかるとのこと。何より酔歩(酔拳の構え)から歩けるようになって、技も増えたというのがうれしいではないか! ふーリリースが待ち遠しくなってきた。あ・・・ネット対応は知っていたが、回線はセガがバーチャ用に作った回線を使わせてもらうそうな。ありがたやセガ。
知っている人は知っている、日本のあらゆる島が載っている辞典のような厚さの本、「SHIMADAS(シマダス)」が6年ぶりに改訂されて7月に出版されていた。98年度版を持っている身としてはやっぱり買っておかねばと有楽町駅前の三省堂に走ったら、最後の一冊が売れなかったのか、ちょっと高級な本をディスプレイする棚に申し訳なさそうに載せられていた。しかし、質素な表紙とは裏腹に、その厚さで存在感を放っている。
このガイドは、日本の有人島・無人島のほとんど全てを網羅している。その数1000以上。ページ数は実に1328ページ。今回の改訂で150ほど掲載する島が増えたが、どれが新しいのかわからない・・・残念。有人島の場合は面積や周囲の距離、人口、世帯数、年齢比率、産業、一年の来島者数といった基本的なデータから、島までのアクセス、見所、島自慢、くらし、島おこし、やど、みせ、みやげ、Uターン・Iターン情報などなど、その島の印象が分かる様々な欄が設けられている。
もちろん、その地域に特化した特定のガイドブックの方が役に立つ情報としてははるかに詳しいけれど、日本の島から島へ、北の果てから南の果てまでを一度に見て回れる唯一無二の本として、その価値は計り知れない。面白いのは無人島の欄で、いつ発見されただとか、いつ人が住み始めてこんな産業があって、でも何年に最後の住人が島を出て無人島に至る、といった記述がしっかりしているのだ。小さな島にも歴史あり、なのだ。
鉄っちゃんは、時刻表を見てあちこち旅に行った気になれるが、この本があれば、部屋にいながらにして島から島への旅気分が味わえる。そのうち南西諸島の小さい島々を渡り歩きたいなあと、今夜もページをめくりながらルートを考えてしまうのだ。
この本が気になる方はこちらをどうぞ。
>> 日本の島ガイド「SHIMADAS」(シマダス)
今朝は涼しくてクーラーなしでぐっすり。少しくらい涼しくても建物自体が熱を溜めやすいので、寝るときはクーラーなしではいられない。けど起きるとやはりダルいのだ。やはり自然な空気に囲まれて寝た方がいい。
それにしても夜間の電気料金が7割引というプランに入っている(昼間は代わりに3割増)のだけれど、8月に敢行した「夜はクーラー付けっぱなしで電気料金How much?大作戦」はオドロキの結果に。なんと5900円ちょっと。毎日夜クーラー付けて、電気給湯器がお湯を沸かしているのに、だ。しかもうちのマンションはオール電化なので、ガス代がない。普通の部屋でのガス代+電気代が、6000円にも満たないとは・・・。
前の部屋だと夏場はクーラー使うので、電気料金だけで8000円くらいいっていたのを考えるとずいぶん安い。これで冬場も安心して暖房が使えるねぇ。
昨日携帯メールに久しぶりに以前うちの職場にいた女の子からメールがあった。いきなり明日、もう一人誘って飲もうじゃないかということだった。そーいやもう一人のコと、三人で飲もうと話していたっけ。約束してから一体何ヶ月たったっけ?
今日仕事場を出てメールを確認すると「いつもの店で」と一言だけ・・・。え〜と、銀座ももう長いのでいつもの店もたくさんあり過ぎて! 一体どこよ! とマジメに2分ほど考えたが「南風」のはずもなく電話した。数寄屋橋の「北の家族」だった。どこがいつものですかー?(笑)
よく考えたら今の職場で職場にいた人と友達として外で飲む機会は初めてかも知れない。会社の忘年会とか送別会なんて出たことないし、出たくもない。まあこの二人は妙に波長が合ったということなのか。
色々お互いの話をしていたらあっという間に時間がたった。職場の文句をドバッとぶちまけてすっきりさっぱり(笑) あと、何かの話の流れで、「オレ今年の目標で、コスプレカフェ行く、っていうのがあるんだよ〜」と言ったら、「あ、あたしも行きたいと思ってた!」というので、次回は秋葉原でコスプレカフェ巡りに決定(笑)
そういえば、首都圏が夕方からの記録的な大雨に見舞われた先週末、六本木ヒルズに映画「ディープ・ブルー」を見に行った。
美しい海面と海中の映像、狩るものと狩られるもののドラマ、人間が普段知ることのない命の営み。見たことのある映像も確かにあるが、やっぱり劇場の大画面で見ることに意義があると思う。自分が海の中にいるような錯覚を覚える瞬間すらある映像は、さすがの一言に尽きる。
個人的には「コククジラの子供を狩るシャチの群れ」がお気に入り。でもやっぱりNHKでやったことあるんだって? すごいなあ、NHK。いや、すごいのはこれらの映像を世界中に行って撮ってきたBBCのカメラマンか。
そういえば、これを見て思い出しのが、かのリュック・ベッソン監督の「アトランティス」という同じ海の生き物のドキュメンタリー。見たのは何年も前だから一体どういう生き物が出てきたのか思い出せないけれど・・・。
あ、「ディープ・ブルー」オススメです。何も考えたくないとき、海に行きたいけど行けないとき、自分がちっぽけな人間だと再認識したいとき(?)、などなど。もちろん生き物好きにも!
この映画が気になる方はこちらをどうぞ。
>>「ディープ・ブルー」
ようやく「第七夜」最終日である。ああやるんじゃなかった寝不足だ(笑) とりあえず色々吐き出したのですっきり。しばらくLOTRネタをやらずにすみそう、かも。
最終日は「ミスキャスティング」。結局、誰の責任だったのか。勝手に推論。
このランキングはランクの下から解説していくことにしよう。
5位。「該当なし」というのは、この映画がキャスティングに関してはかなり高いレベルで原作のイメージを再現していたことへの証明になる。もちろん誰にとっても完璧、というキャスティングは存在しないが、それでも大多数の人を納得させた監督の手腕に敬意を表したい。
4位。「マートン・ソーカス」って誰?と思ったあなたは正しい。自分もさっきキャストの名前を調べてしまったくらいだから。彼はその名前と同じく劇中でも目立たない存在である。偉大な妻を持つとやりづらいなあと思う。ええと、ロリエンのガラドリエルの夫にしてガラズリムの王、ケレボルンである。ガラドリエルの夫なら、もうちょっと見目麗しい人でもよかったのでは? そして一番ダメなのは、ヒゲのそり跡が青々としていること! 初めて見たときのがっくり加減ときたら!
3位。もう言うことはない。唯一の功績といえば、このヤンキー娘好きのハヤスにLOTRを見ようと思わせたことくらいか?(笑)
1位と2位は一緒に述べることにする。この二人に関して言えば、1位、2位という順位付けに意味はほとんどない。なぜ主役をはるこの二人がミスキャスティングなのか。一言で言ってしまえば、「なぜフロドが指輪所持者であるのかが全く伝わってこない」から。
ビジュアル、演技ともに申し分ない。イライジャ・ウッドのフロド、ショーン・アスティンのサム、二人とも素晴らしいと思う。だが、多くの人が言っているように、映画を見ただけでは三部作の最後までフロドがなぜ指輪を持っていかなければならなかったのか、誰にも説明しようがないはずだ。あるいはあえて言うならば「純朴そのもののホビットの中で、さらに純粋で指輪の誘惑に長く抗し得るから」というところか? 「フロドがあんなだったらサムが持って行けばいいんじゃないの?」と思うのも当然だ。その原因・責任は、この二人にあるのではないかと思い始めた。
イライジャ・ウッドは、FotRが封切られる前に、雑誌「PREMIERE 2002年4月号」と翌年の「2003年3月号」で、はっきりと原作「指輪物語」を「読んだことがない」と告白している。他の雑誌やメディアのインタビューでは「昔から好きだったよ」と答えているが、これは明らかにリップサービスという名のウソだろう。自分の印象をよくしようと「読んだことがある」と答えはしても、「読んだことがない」とは答えないからだ。つまり、「読んでいない」が彼にとっての真実だろう。
脚本を書いてフロド像を創り上げるのはもちろん監督と脚本家の仕事であるが、PJはキャストたちからのアウトプットを積極的に取り入れてキャラクター作りに反映させていたと様々なインタビュー、メイキングで言われている。もし、イライジャが原作のフロド像を少しでも理解していれば、今とずっと違うフロドがいたはずだ。
そして、ショーン・アスティンは、TTT SEEのオーディオコメンタリーで、ラルフ・バクシ版LOTRのアニメの話を持ち出し、「サムをあんな間抜けに演じるのは耐えられない。僕は英雄的に演じたいと思った」と述べている。サムを「英雄的」と見るのは原作既読者でも同じだが、物語の最初からではない。彼はただ主人を助けて故郷に帰るために頑張って、結果として周囲が彼を英雄として見ただけである。そしてオーディオコメンタリーを見ていて強く思ったのは、このショーン・アスティンという俳優は、かなりの能弁家でしっかりした自分の意見を持ち、思ったことをどんどん(時には人を押しのけてという印象も受けた)言うタイプだと気がついた。
イライジャとショーンの二人が演じるフロドとサムは結果どうなったか。サムは自分の意見をどんどん主張して主人に役目を果たさせようとする。時には励まし、時には叱責(!!)しながら。ファラミアに意見したり、情けない主人の尻を叩くことなんて当たり前のサム。一緒にいるフロドは、そんな「良くできた」連れの影響と、指輪の魔力をことさらに強く描こうとする脚本の意図に挟まれて、「脳みそを抜かれた」フロドになった。つまり、なぜ自分が指輪所持者なのかさっぱり分からず、指輪に蝕まれるただの生け贄の子羊のようなフロド。
もしこのような状況であってもイライジャが原作のフロド像を知っていて、指輪所持者のなんたるかを把握してさえいれば、「勇者サムワイズ」殿を元の「庭師サム」にしておけたかも知れない。もちろん、全く原作通りがいいなどと思い上がったことを言うつもりはないが、映画LOTR全体を貫くテーマが「指輪所持者とは?」という意味の部分でぼやけてしまっていることに、とても残念でならないと思うからである。もし「やはりフロドが指輪所持者でなくては!」と誰もが思えるような脚本だったら、本当に50年後も語り継がれる映画になっていたかも知れない。
正直今までのランキングでツッコんできたことのほとんどは、シャレである。このフロドとサムの立場、キャラクター像はなんとかしてほしかったということだけが本当に声を大にして言いたかったことだ。それにしても・・・フロドにいくつかの台詞を言わせるだけでもかなり印象が違うと思うのだがなあ。
もしかしたら、PJは原作に近いフロド像での撮影もしているかもしれない。FotR公開前に、三作とも公開時期を決めてしまったがために、編集の段階での推敲が時間切れで思うように出来なかったのかも知れない。何年後かに出ると噂されるSEEボックスセットで、思い直してフロドの聡明さを目の当たりにするような場面を追加して来るかも知れない。PJのフロド像とはいったいどういうものだったのか。RotK SEEで多少なりとも知ることが出来ればと願うばかりである。
一週間かけて言いたいことを無責任に言ってきたが、オレは原作至上主義者でもなんでもない。映画版LOTRを愛しているし、実際映画館には呆れるくらい通ったし、DVDもSEEだけあればいいだろうに、劇場版CEも持っている。ただ、他の映画については語れないが、この物語は原作ファンを長い間やっていて、多少なりとも映画、原作両方から少し突っ込んで語ることが出来るだろうと思ったので、書いてみただけである。もし、これを読んだ人が自分と違う意見でもそれは当たり前だと思う。不愉快になってしまったら平謝りするしかない。・・・でもほら、第一夜の時に、「独断と偏見と偏愛と極論に満ち満ちていることをあらかじめ肝に銘じて読んで頂きたい 」って書いておいたし、大丈夫だ、きっと(笑)
昨日は六本木ヒルズに初めて行って来た。もしここに入っている会社で働くことになったら間違いなく初日は遅刻するだろうなあという迷いっぷりを見せた。何しにいったかと言えば、映画「ディープ・ブルー」を見て来た。詳しい話はまた後ほど。
今夜のランキングは「オレたちも出せ!」。あの人とかこの人とかがいなかったが、いたら実際どうなんだ? いなかったからどうだったんだ? を不真面目に検証。
1位。FotR SEEで、ロリエンにてガラドリエルが、アラゴルンに王としての自覚を促している際に、「先祖を超えエレンディル以来の立派な王となるか、残された一族と共に悪の闇にのまれるか」と述べるシーンがある。「残された一族」・・・すなわち北方のドゥネダインたちであるのだが、三部作の最後まで彼らが登場することはなかった。TTT SEEでも、アラゴルンがエオウィンに現在のドゥネダインを説明して、「わずかばかりが生きている。北の王国は遙か昔に滅びた」と言っている。だが、RotK(の劇場版)を見る限り、アラゴルンは古のドゥネダインの血筋をひく最後の首長ではなく、約束された王位を放棄してぶらりと流浪してきただけのように映っている。荒野に千年以上隠されてきたヌメノールの王統が、一族を連れて都に凱旋することがないのは少し残念。まあ、さらにキャラクターが増えたら観客も混乱するのは分かっているが。
1位と2位、3位がまとめて何を示しているかと言えば、「死者の道」からペラルギアで黒の艦隊を乗っ取って、ハルロンドの船着き場でペレンノールの戦いに合流するまでの部分に一言あり、ということである。ドゥネダインの一族郎党とエルロンドの双子の息子エルラダン・エルロヒアがアラゴルンの元に来ることで、彼の王としての威厳がそこで初めて分かりやすい形で表に出る。そして黒の艦隊には南ゴンドールの軍を載せて攻めあがる。要するにだ、「死者の軍勢をペレンノール、ミナス・ティリスまで連れてくるのはやり過ぎだよ、PJ」ということだ。そりゃギムリが「こいつら便利だから黒門まで連れて行こうぜ」とかなんとか言うって(笑)
4位。RotK、ペレンノールの戦いのヒーローといえば、ローハンの皆さんである。ゴンドール軍と言えば、ファラミア大将は傷ついて動けず、執政デネソールは敵の数に恐れをなして持ち場を離れるよう指示、鎧だけは立派なゴンドールの兵士たちは、ただモルドール軍の脅威を強調するだけが役目かのようなやられっぷりである。ギャムリングの例もあるように、ここはファラミアよりも目立っても仕方ないという大人の判断で、ドル・アムロスのイムラヒル大公を登場させるべきである。そうすれば、ゴンドールがただやられるだけの国ではないと思い知らせられるではないか。それに、最終戦略会議にゴンドールの諸侯が全くいないのも腑に落ちなかったなあ。そういった意味でもイムラヒルの役目は重要である。そういえば、ミナス・ティリスの場面で一人だけ鎧に黒のマントを羽織った人物がいるのだが、これが実はイムラヒルなのだろうか。一説にはベレゴンドという意見もある。
5位。ローハンの西の谷の領主エルケンブランドである。まあ、彼がいることで、エオメルが活躍する機会がTTTで増えるかなあと。でもヘルム峡谷で頑張ったところでエルケンブランドを連れたガンダルフの救援でおいしいところを持って行かれてしまうかもだ(笑)
・・・ここまで書いて、いや書く前から分かっていたさ、これ以上キャストを増やせないなんてことは。でも書かずにはいられないよねえ。死者の軍勢があれじゃあねえ。
先週からおかしかった目のかゆみがひどくなって一日お休み。20年ぶりに眼科に行ったら、カワイイ看護婦さんがいてねぇ。もっと見ていたかったのだが、朝一に行ったのであっさり診療が終わってしまって残念。だが治療と一緒に目の保養もできたのでよしとするか。目は大切にしましょう。あ、結膜炎でした。・・・小学生か、オレは。
さて、この「極私的ランキング」を書き始めた8月30日からこのサイトも順調にアクセス数を右肩下がりに落としているけれど、それでも書く。ビルボとフロドの如く書ききる。今夜は「得をした人々」と「割を食った人々」の二つ。モルドールの闇に目をこらすと、役柄を分けた明暗が垣間見える・・・かも。
1位。今さら説明の必要もなし。今やハリウッドを代表するイケメン俳優の仲間入りを果たしたオーランド・ブルーム演じるレゴラス。何がすごいかと言えば、彼は演劇学校を卒業したばかりでこの大役を手に入れている。まさにシンデレラ・ボーイ。世界中の婦女子を映画館に走らせた功績は大きい。そして劇中でも頼れる弓の名手として、また笑っちゃうほどの体術の持ち主として旅の仲間を助ける。・・・だが一言言っておこう。映画バブルでようやく邦訳が出た『終わらざりし物語』で、トールキンは「レゴラスは九人の徒歩の者の中でおそらくもっとも勲が少なかった」と述べている。劇中の活躍も映画バブルだぞ、レゴラス君、んん? ・・・決してきゃーきゃー言われているのをひがんでいるわけではない。決して。
サムは、原作でももちろん最後には英雄になるのだが、映画ではことさらに「指輪所持者はフロドよりサムの方がいいんじゃないのか?」という至極もっともな意見が出るほどの活躍を見せる。まさに「Samwise the Brave」である。さらに三部作全ての泣き所(TTTの悪名高きオスギリアス大演説も含め)に絡むというおいしさもある。ラストも(原作通りではあるが)彼で締めくくられる。サム、いいんだけどなあ。好きなんだけどなあ、問題があるんだよなあ。問題提起は最後のランキングで。
ハマが死に、ギャムリングが活躍する。だいぶ得していると思うのはオレだけだろうか。ヘルム峡谷の決戦の前に、角笛城の一室でセオデンに鎧をつけるシーンなんて、かなりいい。良すぎてギャムリング(という名前からイメージする原作での役割)には惜しいくらいだ。最初からギャムリング役の俳優がハマをやっていればよかったのでは?(笑)
4位。我らが王アラゴルンは結構お気に入りキャラクターだ。ランキング入りこそしなかったが、ヴィゴ・モーテンセンのアラゴルンはハマっている。LOTRシリーズに出る前から色々映画に出演しているが、今いちブレイク出来なかった。それが、アクションもこなせて、ストイックなその人柄、演技への取り組み方から、LOTR後のオファーも順調に来ているらしい。TTTなんて誰が見ても主役だった。
5位は、父PJとともに三部作全てに登場している、PJの息子と娘である。FotRではビルボの誕生日パーティーで話を聞くホビットの子供。TTTでは燦光洞に避難してこれから始まる戦に不安げな表情の子供たち、RotKでは絶望的な攻撃を仕掛ける前、ミナス・ティリスの街路を馬で過ぎるファラミアたちを見送る群衆の中に紛れた子供たち。全世界に一番かわいい盛りの我が子をお届け!なPJは単なる親バカの範疇を超えてしまっている。WETAのスタッフとか、自分とか、トールキンの曾孫を出演させてみたりとか。そりゃあ史上最大のホームビデオ映画とか言われるわなあ。まぁ、可愛いからいいか。
・・・と、ここまで書いて、なんだか得をした人々へのやっかみみたいになってしまっているなぁ。
エオメルは、第18代ローハン国王である。・・・原作読者なら知っている事実だが、それなら原作未読者は? 知っているはずがない。TTTではアラゴルンとエドラスでの再会を誓うこともなく、ギムリとガラドリエルの美しさについて意見を戦わすことなく、ヘルム峡谷の戦いにも参加しなかった。いやできなかった。RotKでは予告で確かにあったエオウィンかセオデンを抱えて泣くシーンもなく、もちろんペレンノールでセオデンから王旗を継承するシーンもない。おいしいところは全て妹エオウィンに持っていかれてしまっている悲しさだ。個人的に一番悲しいなあと思ったのは、最終戦略会議で、旅の仲間に混じって一人「部外者」としか映らないような立場で、ちょこっとの台詞を言わされる場面である。もうちょっとなんとかしてあげてもよかったんじゃないのかなぁ、PJ。重要人物なのに、ヘタしたらギャムリングの方が目立ってしまっているくらい、割を食っている。
2位は同じくローハン組。近衛隊長のハマは、噂によるとギャムリング役の俳優をPJが気に入ってしまったために、あんなにあっさり死んでしまったということだ。なにせヘルム峡谷への移動中にワーグの襲撃を受け、最初に死んでしまう。ワーグとオークを倒し終わった後、セオデンは死者はこのまま置いていこうという。あれ〜、原作の世界を地図化した『中つ国歴史地図』にはヘルム峡谷で討ち死にしたハマの墓が載っているというのに、ヘルム峡谷での武功も、名誉ある墓も、映画のあの太っちょハマには無しである。合掌。
3位。相方大活躍の陰に隠れてしまった感のある、ローハンの騎士ホルビトラン殿メリーである。RotKの原作の様々な側面のうちの一つに、今まで一緒だったメリー&ピピンが初めて離ればなれになって、ローハンとゴンドールそれぞれの支配者の最期を目撃する、というものがある。劇中のメリーは予告に確かにあったセオデンに仕官するシーンもなければ、王の最期を看取る感涙必至の名場面もなしである。バランスをとるなら、ぜひともメリーにもスポットライトを当ててほしかったなあ。エオウィンと馬で活躍なんていいからさ。LOTR後のオファーも、ピピン役のビリー・ボイドの方が多かったらしい。メリー役のドミニク・モナハンはしばらく仕事らしい仕事もなかったというではないか・・・(T_T)
ギムリは・・・いつの間にかメリピピに代わりコミックリリーフに成り下がっていた。背が低いとお笑いしかできないのか? そんなことないだろう。実際は「ららら〜るるる〜〜♪」とつい歌ってしまうキャラのはずのレゴラスを「サムライのように演じた」しわ寄せが、ギムリにきているのだろう。相方が寡黙な必殺仕事人を決め込むなら、そりゃウッカリ八べえを演じるしかなくなる。そしてもう一つ、割を食ってしまっているなあと思うのは、ギムリ役のジョン・リス=ディヴィス。ドワーフ用のメイクをするのに塗ったラテックスと接着剤のせいで顔が腫れて人に会いたくなくなり、段々部屋に閉じこもりがちになってしまった。それで他の出演者と仲良くなる機会が減ってしまったというのだ。
5位はサルマンとどちらにしようか非常に悩んだ。ただサルマンは存在感を示したFotRとTTTのこともあるし、RotK劇場版では全カットだったシーンがSEEで復活するので、次点扱い。デネソールは、SEEでいくら映像を追加されようと一度落とされてしまった執政の威厳がそう簡単に戻ってくるとは思えない。せめて最期くらい自分で執政の杖を折り、パランティアを抱えて炎の中に横たわって欲しかった。映画はどういう角度で見ても、「ファラミア可哀相だなあ、こんな頭のオカシイ父親がいて」と思われて当然。汁を垂らしながら食事するシーンなどは、悪趣味の極みである。ローハンの支配者セオデンとはあまりにも違う扱い。ゴンドールの大公、諸侯、国民に幸あれ。
・・・もちろん全ての役に平等に光を当てるのは至難の業だが、少し変えるだけでもだいぶ違う部分がいくつもあるかと思う。ま、最後に決めるのはPJの好み、であるのだろうが。おもしろいのはこうして書いていて、対になった役柄の片方が得をして、片方が割を食っているように見えてきたことだ。
ハリー・ポッターの第5巻が発売になっていた。・・・上下巻(しかし分売不可)で税込み4200円は少し高くない? 普通のハードカバー本二冊以上の分量だから、仕方ないと言えばそうかもしれないが。子供も買う本なのに、もう少しなんとかならかったものかねえ。
さて、そろそろ息切れである。ネタはあるんだが、腕がきついねえ。「それはどうかと思うシーン」と「ベストセット&ロケーション」の二つ。・・・ホントは一つにして早く寝ようと思ったが、書き始めると止められなかった。推敲を重ねたかった気もするが、ま、いいか☆
第三夜でガンダルフがお気に入りキャラクターにならなかった理由は、ここにある。RotKでデネソールを杖でどついたばかりか、誰がどう見てもガンダルフがデネソールにトドメを刺したとしか思えないあの最期、目を疑ったのは全国に1000万人はいたはずである。それまでは、ずっとイメージ通りだった我らがガンダルフは、ここにきて急に白のガンダルフから、PJ印のガンダルフになったわけである(元からそうだと言えばそう。PJの映画だし)。あんな振る舞いではデネソールに「わしの後釜にすえるのは北方のレンジャーだろう!」と言われても仕方ない横暴ぶりである。ガンダルフ役のイアン・マッケランはどつくシーンをやりたがらなかったという話も伝わっているが、真相はどうだろう。SEEのオーディオコメンタリーに期待したい。
2位は、FotRでの「リヴ・タイラーのアルウェンじゃあなあ」という不安を、「リヴ・タイラーのアルウェンじゃあダメだ!」という不満に一気に昇華させた場面として記憶に残るシーンである。そもそも契約の問題で、本来出番が少ないのに使わなければいけない、それもキャスト中随一の大物ハリウッド女優(キャストの話からするとそうらしい)なのでさらに扱いに困るという難物である。おまけにこの前のシーンでノースリーブのドレスを着せてみたら、二の腕が実にエルフらしからぬ逞しさ。そこにきて、悲嘆にくれた顔をアップにしてみたら、鼻の穴がひくひくしていたのである。深窓の令嬢を演じるには、まずその鼻と腕をなんとかしてください。
最終戦略会議で、黒門前に軍を進めるという策を話し合っている場面である。ギムリに罪はない。ギムリの扱い方を間違った脚本家、監督に責任がある。監督お気に入りのボロミア以外の執政家、およびゴンドールのみなさんは、とにかく扱いがひどい。玉座ではないが、執政の椅子に執政以外を座らせるのは、執政を軽くみている証拠だ。だから執政の最期があんな火だるまでダイブなのだ。そして、ギムリといえばもう一つ、アラゴルンの戴冠式の役、なぜファラミアじゃなくてギムリなのだろうか・・・大将の晴れ舞台であるのに・・・これもどうかと思ったシーンの一つである。
4位。原作を知らない人でも「あれっ?」と思ったに違いないシーン。さっきまでサムに担がれて滅びの山を登っていたフロド。サムがゴラムと戦っているすきにサンマス・ナウアに入ろうと「駆けて」いく・・・。あれ、なんでこんなに元気なの?この人?なんだかなあ。それともSEE行きになった映像が前後にくっついて納得いく状況になるのだろうか?
5位は、好きだ、お気に入りシーンに入れてもいいくらい。結構感動するし。ただ・・・いつくるかわからない有事のために、雲の上に頂が出ているような高い山に烽火台を作るだろうか・・・(笑) ちょっと標高が高すぎるんじゃないかなあ。にのも「ローハンに就職したい。ゴンドールはあの山の上の勤務があるかもしれないからちょっと・・・」と言っていたし(笑)
1位はなんといってもホビット庄。初めてFotRを見たときの感動といったら! うわぁ本物のホビット庄だ・・・とのっけからヤラレた。生活している雰囲気が出るように、セットを丘に作ったら、本物の木や花、草を植えて、一年かけて世話をしたという辺りからもうすごい。そこまでして初めての生活感が出るのだろう。あちこちに転がる小道具もまた一から全て作ったもので、いい味わいを出している。
2位のエドラスは、初めて予告で見たときには、まあCGかなと思った。だが調べてみると原作のイメージ通りの丘の上に、8ヶ月かけて作られた実物大のセットだというではないか。ここでもまたヤラレるのである。こんな原作の描写にぴったりな場所が存在しているのからしてあり得ない。そしてそこにでかい黄金館を作ってしまうのがまたまたあり得ない。あちこちに施された彫刻も気合い入りまくりで脱帽。
3位は、お気に入りシーンでも述べたので簡単に。でかいミニチュアが本当に精巧に出来ていて、CGのみに頼った映像では得られないリアリティを作り出している。本当に巨大感の伝わってくるセットだ。そして何より美しい。7重の層には人が住んでいる様が見て取れて、頭上から俯瞰すれば、最上層の庭が空母の甲板のようにその偉容を現す。エクセリオンの塔の中が描写されていなかったのが残念。
4位。うちの母親をして「これ、どこにあるの?」と言わしめたリアルさ。黒沢も「この本物感はすごいね」と褒めていた。足下を通るときも、引いたカメラアングルから寄っていっても石の質感がすばらしい。
5位は、これがなくちゃ始まらない。つまり中つ国全土のセットだ(笑) ニュージーランドの自然がなければもっと無味乾燥な映画になっていたのは想像に難くない。ホビット庄も、裂け谷も、ロリエンも、エドラスも、ヘルム峡谷も、ペレンノールも、モルドールですら、ニュージーランドの自然がなければ作り出せなかったかもしれない。ニュージーランドの自然の勝利だ。
世間ではiMac G5などが発表になったりしていて、ここでも書こうかなあと思うが、そんなの後回し。昨日うっかり寝る前にRotKのDVDをちょっと見始めたらすっかり寝るのが遅くなってしまった。今は目が真っ赤。そんなこんなで今夜も偏ったランキングをお届け。「お気に入りキャラクター」と「ベストBGM」の二つ。
まあこの辺りも前回、前々回のランキングに関係してくるので、あまり面白みがないと言えばないかもしれない。セオデンは、ああもう本当にバーナード・ヒルで良かった。ショーン・コネリーとかでなくて(出演するとも思えないが)。とある本に「台詞も覚え、衣装もつけ、セオデンのような気分になっていた。だがセットに入ると私は馬鍬砦にいるセオデンその人だった」と語ったことが書いてある。それは美術スタッフの功績を称える言葉であるのだが、あの演技は本当にセオデンその人だった。極端な話、王になったばかりの(映画版の)アラゴルンにはない威厳に溢れていた。
ガンダルフは・・・実はこの後のランキングで出てくる要因がなければ1位だったかもしれない。劇中のある瞬間までは原作の持つ雰囲気を一番体現している登場人物だと思っていたからだ(魔法の使い方云々はともかく)。うーん、あれさえなければなあ、頼むよPJ。まあそうは言ってもやっぱりガンダルフはいい。灰色の時なんて、想像通りでうれしかったなぁ。
ボロミアは、原作に比べて魅力的に描かれていた。エルロンドの会議、メリー&ピピンに剣を教える場面、指輪に誘惑されたところから、ウルク=ハイと戦い、アラゴルンを王と認めて最期を看取られるまで、実に感情移入できる人物としての監督の解釈が効いていたと言えるだろう。頼れる兄貴的存在で3位入り。
映画版LOTR中に出てくるエルフは某ヤンキー娘が演じた姫以外、実にエルフ然としていてびっくりしたものだが、中でもケイト・ブランシェット演じるガラドリエルは、なんとなく自分までギムリになったかのような気分にさせられた。劇場版だけだと「なんだかコワイ女王様」という印象で終わってしまうが、FotR SEEで、旅立ち前の贈り物のシーンや、アラゴルンに助言を与えるところなど、抑えた演技でガラドリエルに相応しい威厳を漂わせている。ちょっと笑顔がコワいんだが(笑) エルフ然というより、至福の国の二本の木の光を見たエルダールらしいと言ってしまいたいくらいだ。それに三部作通して、少ない登場時間であるのに、結構オイシイ場面を持っていっているのもさすがである。
ピピンはねえ・・・本当はメリーなのだが、RotKの活躍度合いから言ってしまうとピピンになってしまう。SEEでどれくらい追加されるか分からないが、メリーにピピンと同じくらいの活躍の場がないとくるしいなあ。原作だと圧倒的にメリー派を自認しているのになあ。仕方ないので相方に一票入れてみた(笑) いやいや、烽火の場面とかパランティアの場面とか好きだけど。
「ミナス・ティリス」のテーマは作曲のハワード・ショアが第一部の頃から「早く作りたかった」と言っていただけあって、素晴らしい出来。「お気に入りシーン」とかぶってしまうが、あの場面はこの音楽の与える影響もかなり大きい。
2位は、TTTが始まって、ニューラインシネマのマークが出て、霧ふり山脈の俯瞰、そしてモリアのあの場面に戻っていく時のあの曲。ガンダルフが橋から落ちると同時に男性コーラスの重厚な歌が続いて映像を盛り上げる。
実はこのシーンも「お気に入りシーン」に入れたかったのだが、すっかり忘れていた。パランティアを触ってしまったピピンはガンダルフに連れられてミナス・ティリスに行くことに。馬屋でのゆっくりな曲調から、「飛蔭よ、お前の俊足を見せろ」とガンダルフがつぶやき、まだ状況が飲み込めないピピンが「メリー? メリー!?」と叫ぶ。飛蔭が馬屋から飛び出し平原の向こうに去っていくと同時に曲が盛り上がる。 ちょっとした場面であるのに、曲が効果的に入っているので実にいい。
4位。いわゆる「旅の仲間のテーマ」が一番勇壮にかかる曲。他の曲でも場面によって調子を変えた「旅の仲間のテーマ」はいくつも入っているが、これがもっとも勇ましくて気に入っている。
5位。BGMではなくて挿入歌なのだが、全てが終わった後、それを包むような透き通った歌声が物語の余韻をさらに深めてくれる。歌詞も灰色港からの場面に沿っていて◎
一時期「シェロブの棲家」がぐるぐる頭の中でローテーションしていて、「病気かも・・・」と思ったこともあるが、あれは一体なんでだったのだろう? なんかテンパっていたのだろうか?