銀座には、いや銀座だからこそ、年季の入った古いビルが残っているのだろう。松屋のそばにある書店、教文館のビルを裏から階段を使って上の階まで上ってみた。なぜっって、いつも使っている2階の奥に、実に魅力的な細い階段を見つけたから。道を歩いていても、細っこい路地を見つけると入っていきたくて仕方なくなる。オレの前世はネコだったのかもしれないな。なんて思いながら登った教文館ビルは、何十年も前に戻ったかのような、時間の止まったかのような、たたずまいを見せていた。
昼休みに外に出て仕事場のそばを歩いていて細い路地に入ったとき、思わず足を止めてしまう光景に出会った。そこはあまり人通りのないところではあったけれども、銀座2丁目なのは間違いなかった。けれど今目の前には、床几の上に仰向けになって頭をこちらに向けて寝ている、ランニングと短パン姿のオヤジが。・・・ここはどこかの下町か? でも正直言えば、むしろ少し微笑ましかった。平和だな。
以前テレビで、「発芽米に豊富に含まれるGABAという物質がすぐイライラするような人によい」みたいなことをやっていて、それならとたまにビタミン剤を買っているファンケルが丁度扱っていたので、注文してみた。白米2に発芽米1の割合で炊いてみたら、なかなか香ばしくておいしかった。それを1ヶ月くらい続けただろうか。そうしたら最近「鉄拳」で負けても頭にくることはくるが、さっさとやめられるようになって、「もしかして、効果テキ面!?」と小躍りするも、単に飽きてきたからかもしれないと急に現実的な思考になったりもした。
週末に居酒屋に行った時、メニューにスパゲッ草発見〜。内地産のスパゲッ草はやや細めで、「スパイスパスタ」なんてハイカラな名前がついてたりするけれど、スパゲッ草には違いない。味は、塩多め・スパイスたっぷりめ・味濃いめ、のまさにビールの友にふさわしいヤツだった。
「読んでるよー」とか「うまくなってる」と言われてうれしくないはずがなくて、つらつらと過去に書いたものを読み返してみると、「オレって鬱っぽい?」と気が付いてしまい本当に鬱な気分になる。占いなどは全く信じたりはしないけれども、バイオリズムは確かにあると思う。読んでプッと笑える文章とか、ハジけた内容を書くのは自分にはできないと思っているので、必然思ったことを淡々と書いていくスタイルに落ち着いてきた。毎度淡泊な内容だけど、確かにそこには感情の浮き沈みが交互にやってきているようだ。でも、思ったことを何かしらしゃべったり、書き留めて置いたりするのは、心にたまったものの良い発散法になっていると信じてやまない。
気分が塞いだときの薬は、人を捕まえてしゃべり倒すか、バイクか、音楽。一昨日買ったドイツのバンド「HELLOWEEN」のアルバムは、好きだった7、8年くらい前の彼らの音楽性に回帰していて、聞いていて久しぶりに頭が勝手にヘッドバンキングをしてしまった。ああ、久しぶりにライブに行きたくなってきた。そんなスピードと、ヘヴィネスと、メロディに溢れた一枚だった。それに、「Rabbit Don't Come Easy」というアルバムタイトルがいいと言ったらない。
マジシャンは、技術や知識、経験をフルに活用してトリックを成功させようとするが、どんなに熟練し、手順を知り尽くしたことでも、例えば一匹のウサギがなかなか帽子から出ようとはしなくてハプニングになることもある。つまり人生は「Rabbit Don't Come Easy」みたいなものだと。バンドのメンバーを襲った数々のアクシデントも終わってみれば、良い方向に向かっていき、素晴らしいアルバムが生まれた。「ウサギが簡単に出てこないこともあるさ」と思ってみれば、ちょっとは気分も軽くなるというものかもしれない。
・・・んん? 微妙にまた、鬱っぽい?(笑)
今日は大学時代のサークルの同期が、海外に転勤だというので壮行会のような飲み会だった。去年の夏にあった同期の飲みを想像して行ったら、先輩はいるし後輩も結構いて何を話していいんだか言葉につまった。なにせ大学卒業して以来あってなかった人がほとんどだし、いつのまにか結婚してる人の多いこと多いこと。話しが合わないったらない。・・・なんか疲れた。サイトの更新でもして寝るか。
仕事場の女の子が、去年「ロード・オブ・ザ・リング」の第一部を映画館で見て、結構面白かったと言ってたので、第二部が始まってから数ヶ月、ずっと見に行け見に行けと呪文のように繰り返して、それでも行かなかったからとうとう今週末でほとんどの映画館で上映が終了するところまで来てしまった。
・・・で、昨日レディースディ(なんで女だけなんだ!)でようやく見に行って来たらしいので、感想を聞いてみたら、「二時間過ぎくらいでとうとうトイレをガマンできなくなって・・・(笑)」と言われてしまった・・・(T_T) おまけに第一部をすっかり忘れてしまっていたので、話しがよくわからなかったらしい。とほほ。午後は仕事がヒマだったからA4の紙二枚に人物相関図とか地図とか書きまくって解説させていただきました。結構理解できたようで良かったです・・・・が・・・あれだけ復習してからいけと言ったのに・・・(;_;)
星野道夫さんの生前の講演を文章にしてまとめた本「魔法の言葉」を読み終えた。最近星野さん関連の書籍がやたらと出て、一体どうしたことかと少し不思議だったりするけれど、ここにきてまた新しい側面を知ることが出来るのはうれしいことには変わりない。
作家の池澤夏樹さんがまたしてもこの本の解説を書いているが、池澤さん曰く「彼は本当に大事なことしか言わなかった。そして本当に大事なことは何度でも言った」と語っている。その通り。生前のエッセイでもいくつかの本で、同じエピソードを繰り返し語り、またこの「魔法の言葉」でも(毎回聴衆が違うというのもあるけれど)同じエピソードが続く。でもそれは語るべき内容が少ないからではない。きっととてもたくさんのものを見て、たくさんの話しを聞いて、たくさんの人に会ってきたからこそ、人に話すべき本当の話しを知っている、その表れだろう。
日々の生活で、誰かに会って、本当に語って聞かせたい話しが自分の中にあるだろうか。少し考えたけれど、思いつかなかった。
水菜が大好きなのだ。コンビニのサラダははっきり言ってウマイと思えないけれども、セブンイレブンの水菜とジャコのサラダだけはかなりヒット。水菜はそのシャキシャキ感とほのかな苦みが魅力だ。かといって春菊あたりはどうかと言われると苦みがキツイ気がして、やはり水菜の上品さにはかなわない。同じような理由で芹(セリ)も好きだ。学生の時にしてたバイト先で、板前さんが作ってくれたカモ鍋は、カモ肉ももちろんウマイのだが、一緒に入れられた芹がとてもカモ肉に合っていて、それ以来芹のファンになってしまった。ああ・・・ウマイカモ鍋が食いたくなってきた。
人との会話は良き聞き手と良き語り手を得て初めて、心の底から楽しい会話になる。ましてや、良き聞き手と語り手がその都度入れ替わり、会話が無限の広がりを見せ始めたなら、時間がいくらあっても足りやしない。そして、その聞き手語り手達を囃したてるのは、決まって「酒」と「共通の話題」である。あああ、今日も時間が足りなかったね。でもまた一週間、サボらずに頑張れそうだ。あるいはまた、今日が金曜みたいな気分になって、ダメな一週間になりそうだ(笑)
「サイト更新はモチベーションとの戦いである」とはオレがさっき思いついた言葉だけど、やる気がないときは、更新しようなんて全く思わない期間がだらだらと続いて気が付けば前回更新してから1ヶ月も開いてる、なんてこともざら。やる気に火が点けば、今回みたいに一日で全部済ませてしまうこともあるのだから、なんともはや。
ギャラリー更新はもうルーチンワークと化していて面白みはないけど、今回は以前からずっとやりたかったFlashのアニメを実験的に載せてみた。時間かけた割にはしょぼくて、作ったオレもショボーンな気分で一杯なのだけど・・・。でもやっぱりFlashはいい。作り終わったときに「やべぇ、ファイルサイズ結構でかくなってるかも」と思ったら、実際は60Kくらいですごく軽い。
それにしても、Flash MXに慣れてしまった身にとって、一つ前のバージョン5は使いづらい・・・。ソフトのアップグレードって使わない機能が増えていくような印象があるけれど、Flashに関しては旧バージョンの勝手の悪さから、使いやすい配慮がなされていて、道具として円熟してきたという感がある。・・・そんなこと言ってしまえるほど、使いこなしてないけど。何はともあれ精進したいですな。
・・・え、この写真ですか? 仕事場の女の子が普段してないメガネをしてたので、面白がって貸してもらって自分で撮ったら、眠くて中途半端な表情の、情けないオッサンが写ってたってトコですか。とほ。
小さい本屋は楽しい。昼間に立ち寄った銀座三丁目マガジンハウスそばの「新東京ブックサービス」は名前こそ大仰だが、小さな店構えのどこにでもありそうな本屋。でも出版社が近いせいか、大きな書店に行かないと置いてなさそうな広告関係の本だとか、デザイン関連の書籍だとかがあって、見ていて面白い。こういう小さな本屋は周りの環境に合わせて品揃えをしているところが結構多くて、気が付かなかったその地域の「色」が出ているときがある。品揃えではないけれど、川口駅東口すぐのその名も「川口堂」は、夏場は朝5時過ぎから店を開け、オレが帰ってくる午後11時くらいまで営業しているツワモノな店。毎月、雑誌「Web designing」を発売日に買うんだけど、おばちゃんが顔を覚えてくれてるらしく、「いつもありがとねー」と声をかけてくれる。こういうちょっとしたやりとりも小さい店ならでは。そんな小さい本屋たち、頑張って欲しいなあ。
有楽町駅京橋口には、時折行列のできる露店が現れる。……いや、品物を見てる人のうち、ホントの客は一人か二人いればいいほう。他はみんな「サクラ」。いい歳したオヤジ連中が腕時計売るのに三人とか四人がかり。
……日本は平和です。
以前からやろうと思っていたiMacのハードディスク換装をやった。今使っているハードディスクは20GBだけど、入れるときは「こんなに使わないな、絶対」なんて思ってたら、デジカメ画像やら、MP3ファイルやら、エロ画像やらであっという間に一杯になってしまった。ADSLにした効果も大きいかも知れない。
今度は80GBの5400回転、流体軸受けのヤツ。今までは7200回転だったけど、回転音がうるさいのと、熱が思った以上にひどかったので、中のボード等への影響を考えて回転数を落とした。換装作業そのものはもう4、5回やっているからものの10分程度で終わってしまった。
でもそこからが大変だった・・・。CD-ROMからMacを起動、パーティションを切って、システムをインストール。そこまでは無事終了。で、いざ起動。・・・・・システムファイルが見つからないっていうアイコンで出て、起動しない・・・(T_T)
それから4時間くらいああでもないこうでもないとやり、でも起動しないのであきらめて元のヤツに戻そうと、付けた80GBのハードディスクを見たら、ジャンパピンがマスターではなくスレーブに入っていることを発見。たった一箇所、それも5ミリにもならないピンの位置が違ってるだけで4時間も悩むハメになるなんて・・・(T_T)
思えば、何年も前に気まぐれで行った小笠原でのぶ、はまげん、黒沢と出会い、我がサメ人生が始まったわけだけれども、今こうしてバイクで遠出をして、海岸でだらだらビールを飲み、ひとっ風呂浴びるような仲になるなんて、出会ったときは想像もできなかった。人生は先の見えないカラクリに満ち満ちている。サメのみんなに感謝したい。ありがとう。一人暮らしでも楽しいのは、君たちのおかげです。
土曜の午後10時過ぎ。携帯が鳴ったので出てみたら「よぅ、いづぅ。ヒマか? バイクの鍵がささったから今から行くわ」とじゃあ二がやってきた。でも車で。セルが回らないからとかで。ホント、ヘタレXSだよな(笑) 写真はイスに座ってるだけなんだけど、某教祖がやってた空中浮遊みたいに見えてオカシイ。
その名も「Simple」。カリフォルニアのメーカーの名前らしいけど、シンプル!と言い切るその心意気や良し。特に奇をてらっているわけでも、最新の技術を投入しているわけでもない、飾り気のないスニーカー。でも、こういうの、とても好きなのだ。
『ブルーベア』を読み終えた。素敵な読了感だった。著者のリン・スクーラーはアラスカのジュノーでボート生活を送りながらガイドを続ける人で、星野さんとはガイドと写真家の関係以上の友情を育んできたことが、本の中で語られていた。星野さんの数多い文の中からは、彼の考えやものの見方を知ることは出来ても、彼が周囲の人々にどれくらい愛され、またどうして愛されてきたのかをすることはなかなか難しい。それをこの本が教えてくれていた。生まれ持った病気との闘いや恋人の不幸な死を経て人間嫌いになった著者は、屈託のない笑顔を振りまき、時にユーモアと飾らない人柄を交えて接してくる星野さんと旅に出掛けるうちに、もう一度人を信頼しようとする。その旅と友情の記録のキーワードになったのが、幻のクマ、ブルーベアとも呼ばれるグレイシャーベアの存在だった。著者と星野さんはいつの日か、一緒にブルーベアを見ようと約束して、アラスカのあちこちに出掛けていくのである。
・・・結局、星野さんはブルーベアに会うことはなかった。その約束を果たす前にロシアのカムチャツカで亡くなっているのである。星野さんの死に、必死で意味を見いだそうとする著者に、彼の友人でありまた星野さんとも友人だった女性が物語の最後に『ナヌークの贈りもの』という星野さんの本をプレゼントする。彼の死を『ブルーベア』という本の中で数万言費やして語ろうとしていた著者は、星野さんが子供のためにと作った本の29枚の写真と五百語余りの言葉で星野さん自身が全てを語っていたことに、意味と理解を見いだしたのではなかっただろか。
著者はその後、ブルーベアを見る。でもそこにいたのは星野さんではなく、心を通い合わせる見込みの全くない二人の人間だった。
こんなはずではなかった、と思った。そして肝心なときに遅刻し、大事なことを忘れてしまうミチオのどこか愛すべき習性に対して、奇妙な、愛情のこもった欲求不満とでも言うべき感情を抱いていたことを思い出して、わたしはあやうく声を出して笑いだすところだった。ミチオ、とうとうブルーベアを見つけたこの肝心なときに、きみはいったいどこにいるんだ?
著者が、ブルーベアを見た感動をどうにかして一緒にいた人間に伝えよう、喜びを共有しようとしたその姿勢、以前なら考えられなかった内面の変化が、この旅は結局二人にとって成功に終わったのだということを示しているのかも知れなかった。
この本が気になる方は、こちらをどうぞ。
>>「ブルーベア」
夜仕事場にいたら、弟から写真付きでメールが送られてきた。「今長野の別所温泉に家族でいます!」だって・・・。家族で、ってオレは? 行くとか行かないとか一言もなかったけど? ・・・今夜はビールがなんとなく苦い。