銀座には、いや銀座だからこそ、年季の入った古いビルが残っているのだろう。松屋のそばにある書店、教文館のビルを裏から階段を使って上の階まで上ってみた。なぜっって、いつも使っている2階の奥に、実に魅力的な細い階段を見つけたから。道を歩いていても、細っこい路地を見つけると入っていきたくて仕方なくなる。オレの前世はネコだったのかもしれないな。なんて思いながら登った教文館ビルは、何十年も前に戻ったかのような、時間の止まったかのような、たたずまいを見せていた。