2005年09月29日

●丸木俊の赤ずきん

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頭巾じゃなくて、赤い帽子をかぶっています。

昔描いた絵本をイメージして
晩年に新たに描き下ろして制作したリトグラフです。
80才を超えて描いたと思えないような鮮やかさ。
最後の一枚になってしまいました。

75才で画家デビューした位里の母、丸木スマも
「おはなし」という絵を描いていますが
同じように頭巾ではなく赤い帽子をかぶった女の子と
一匹のずるそうなオオカミがいます。
配置もどことなく似ていて…

ちょうどポポタムの丸木俊展と同じ日にはじまった
丸木スマさんの展覧会(銀座松坂屋)は終了しましたが
パンフレットを店に置いてあるので閲覧できます。
また丸木美術館ではスマさんの絵が常設してあります。

丸木俊はエッセイで、おばあちゃん(スマ)の絵を前にしたら
学校に行った自分がよけいなものをつけてしまった、
というようなことを書いています。
スマさんに絵をすすめたのは、嫁の俊で
二人は互いに画家として尊敬し合っていたようです。
背景の描き方(分割したみたいに色を塗る)など
影響を受け合っていたのかな、と思うような絵もあります。

そしてさらに、60才で絵筆を取った
スマさんの実娘・位里の妹、俊の義妹にあたる大道あやも
私は大好きな絵かき・絵本作家です。

嫁・姑・小姑の女絵かきたちの、晩年の花の咲きっぷりは
それはそれは見事だったと思います。
(スマさんは1956年、俊さんは2000年に亡くなられました)

Posted by popotame at 2005年09月29日 22:17