2005年09月05日

●丸木俊 絵画展 9/14〜はじまります

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(「白雪姫」より/リトグラフ)
明治生まれの女絵かき、丸木俊をご存知ですか?

丸木俊 絵画展「四つの絵本 外つ国(とつくに)の花」
9月14日(水)〜10月9日(日)
*9/24 トークと映像のイベントあり(予約制)

丸木俊(1912〜2000)
夫・丸木位里とともに描いた「原爆の図」や
絵本「ひろしまのピカ」が有名ですが
その一方で、数々の楽しい絵本作品を遺しています。

いろとりどりの草花や、踊りだしそうな動物たち。
躍動感あふれるタッチと、どこか異国の香り。
私は丸木俊さんの絵が大好きで、その人生にもひかれます。

まっすぐに、まっすぐに生きた丸木俊。
子ども時代、友達に自分の絵を「大人が描いたのだろう」と言われ
悔しくて、絵かきになることを決心します。

寝る時間を惜しんで子どもたちに絵を教えた教師時代。
当時白い目で見られていた共産国ソ連(ロシア)に単身渡国、
家庭教師をしながら外つ国(異国)の空気のなかで絵を描きます。
失恋してミクロネシアへ赴き、腰蓑ひとつで暮らしていたことも。

水墨画家・丸木位里と運命的に出会い、
位里の当時の妻からもお願いされるかたちで結婚。
被爆後の広島に足を踏み入れ、
位里との共同制作で「原爆の図」を描き上げました。

今回ポポタムでは
福音館「こどものとも」50周年記念復刻版に収録された
4つの絵本の原画を週替わりで展示するとともに
リトグラフや小作品を販売します。

鮮やかな絵本の世界と原爆の図の迫力とは
いっけんかけはなれたものに見えるでしょう。
女性が自分らしく生きることが難しい時代に、
自ら「女絵かき」と名乗りひたすら描き続けたのは
生きることの肯定と祝福だったと思います。
その「生」を奪う戦争や原爆という暴力を一貫して批判し
描いてきたのもやはり「生」なのだと私は思います。

今回復刻される「こどものとも」が普及版でないのが残念ですが
原画をぜひご覧ください。(文と絵本の見本を掲示します)

また原爆の図関連の展示はありませんが
資料(書籍)を閲覧できるようにしておきます。
丸木夫妻の精神は埼玉県にある「丸木美術館」に受け継がれています。緑に囲まれ、すぐそばには川が流れるすてきな建物です。

Posted by popotame at 2005年09月05日 11:50