2011年10月06日
●おさえきれないまさひろの様子
開催中・村岡マサヒロ個展「おさえきれないまさひろ」
ギャラリーはこんな感じ。300枚近くの作品がずらっと。
初登場の「裸眼イラスト」
震災後「人間が何でもコントロールできると思ったら大間違い」と思った村岡さん。
すごく視力が悪く、普段はコンタクトレンズなしでは日常生活もままならないほどですが、ありのままの状態を受け入れ、あえて「裸眼」で対象物を見て描いたイラストです。
ボヤーっと見えたものを描き、よく見えない部分は自分の脳で補完。
「目の前のものを見ると同時に、自分の脳や心にも向き合う」ことで生まれた作品は、鑑賞者にとっても、村岡さんにとっても、奇想天外な作品に仕上がっています。(150枚、各2000円)
裸眼イラストから生まれたイメージをエコバックに、すべて直筆で転写。今回の展示テーマ「おさえきれない…」ではじまる文言をローマ字ロゴにあしらっています。(1200円)
高知新聞夕刊の連載マンガ「きんこん土佐日記」が今夏よりグッズ展開、ストラップ、メモ帳、クリアファイル等等いずれもお手頃価格です。
村岡さんのおすすめは「靴下」(400円)。左右の足がよしき(祖父)&くにえ(祖母)の夫婦デザインです。
著作も増えました。
新刊本『肉までABC』はオールカラーを活かして流血ネタがふんだんに。高知のタウン誌に掲載されていたものですが、まったく町の情報と関係ないブラックユーモアの4コマで、よく連載できていたものです。
本をお買い上げの方はもれなくサインと村岡さんがパッケージデザインを手がけた「小夏ジュース」を差し上げます。
村岡さんの真骨頂。言葉と絵と展開の力量を感じる「かるたシリーズ」より。
(言葉の尻をとって次につなげる「しりとり」になっており、五七調)
今回はすべての頭文字のあとに「んこ」をつけた「んこかるた」です。
例=さ行
「さんこうにん(参考人)がこっち無視」
↓
「しんこん(新婚)初夜に嫁ドS」
↓
「すんごく小さい祖母猫背」
↓
「せんこう花火をうけるマゾ」
通に人気の「おっぱいイラスト」
子ども時代に友だちと何の気なくおっぱいの絵を描き散らしていたら親に詰問された村岡さん。それが初めての「絵」にまつわる体験だそうです。
老若男女、生き物にこだわらず描いた「おっぱい」のドローイング88枚。(各2000円)
「きんこん土佐日記」の生原稿と高知新聞のコーナーをつくりました。
村岡さんは高知新聞夕刊に毎日4コマ漫画「きんこん土佐日記」を連載しています。(夕刊のない日曜日はweb版に)
高知の80%のシェアを占める「高知新聞」、いまや小さい子どもから老人まで「きんこん土佐日記」が大好きで、web版から全国にファンが広がりつつあります。
3.11から4.1までの「きんこん土佐日記」はすべて震災ネタです。
ずっと南海大地震がおきるといわれ、海に面して人々が暮らす高知にとっては「順番が違っただけ」。
明るく大らかなイメージの高知ですが、自然は豊かでも、失業率やアル中、貧困、高齢化などの問題も切り離せません。
そんなマイナスの部分も、孫の「たくみ」と祖父母の「よしき」「くにえ」のささやかな日常をベースに笑いを描いてきた村岡さんは「震災ぐらいで描けんようになってたまるか」と、翌日の夕刊から4.1まで毎日震災をネタに漫画を描こうと決めました。
東京、関東のお客さまにぜひご覧いただきたく、3.11〜4.1の高知新聞バックナンバーと、「きんこん土佐日記」の生原稿を一部展示しました。ぜひご覧ください。
3.13(日)web版のプリントアウト。
高知新聞とあわせて、新聞4コマ研究家の岡部拓哉氏による論評ー「きんこん土佐日記」が描いた二十日間ーも読んでいただけます。
しっかり読み込みたい方にはイスもありますのでぜひどうぞ。
おさえきれない疲労に「足つぼ隊」。右から
「まち子」(試作第1号)
「マリリン」(運びやすいようカチューシャ部分をもち手に)
※ネーミングはつぼ部分の加工を担った村岡さんのお父様です。
「石つぼさん」(村岡さんの暮らす高知いの町に流れる仁淀川の石で制作)
効きます。ぜひ靴を脱いで踏んでください。(その足で、きんこん靴下をどうぞ!)
村岡さんの小学生時代の絵と(上)、
いまの高知の小学校の子どもたちがつくった「かきくけこうちかるた」(下)
子ども時代からホラーが大好きだった村岡さんがお絵描きコンクールに出した作品は、男性の目鼻口から虫やへんなものが飛び出している絵。
全員賞をもらえるシステムで、ほかの子が「よくできました賞」「おもしろいで賞」等のなか、苦肉の策か村岡さんのこの作品は「アイデア賞」をもらいました。「まんが王国」を県政策に打ち出している高知県、漫画に対しての懐の広さを感じるエピソードです。
「かきくけこうちかるた」は小学生が考えた高知の食べ物紹介になっていて、市販もされています。食べ物とまったく関係のないものもたまにまじっていますが、韻をふんでいたりして上出来。(村岡さんは絵の描き方指導と、表紙のイラストのみを担当)
高知県内の小学校では、漫画や土佐弁、土佐の産物について学ぶ授業があり、村岡さんはときおり講師に呼ばれるとのこと。
今回でポポタムで3回目となる村岡マサヒロ個展。(奇数年に開催しています)
ふだんの新聞漫画や高知の広告の仕事だけではおさえきれずに飛び出した部分をご覧いただけます。
10/9(日)〜17時まで。作家毎日在ポポ!
☆10/8(土)は18時からパーティーをやります。
可能な方はぜひご参加ください。(参加料1000円、高知の酒付き)
展示はもちろん、とってもコアな時間をお楽しみいただけるでしょう。
ご来ポポお待ちしております。