しかし、この場所も地下に銀座線が走り、難工事が予想され好適な場所とは言いがたく、工事では出水が相次いだり、遺跡が発見されるなど、事前調査費として5億円も計上していながら不測の事態に対処できなかった点も問われている。
地元商店街からも、「大江戸線の工事から数えると12年にもわたって路上は車止めされ、商売に負担を強いられてきた上、工事は遅れる、工事費も追加ではこんないい加減な話はない」とブーイングの嵐だ。
これまでローカルな地域では、数百億円もかけて大がかりな施設を完成、収支面でペイできず責任を追及される行政の事例はニュースなどでも見かけられたが、東京の都心部で起きるのは珍しいといえる。
なお台東区で過去に起きた監査請求の記憶に新しい事例としては、「大相撲のマス席」問題がある。蔵前国技館があった当時、台東区が接待用に税金でマス席を購入したものの、年を追うごとに15日間のマス席を埋めることが困難となり、タライ回しにしていた件で監査請求が入り、当時の区三役や既に引退していた元三役が経費2千数百万円を自費で弁償、ようやく収拾がついた。
今回も区民負担(一人当たり約20万円)の大きさから、今後明らかになる計画の詳細次第では誰のための駐車場建設だったかのか、再度行政が問い直されることになるだろう。
|