(運動の基礎資料・ネット上にないマスコミ報道など) 2
 
 
 
       
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◆2 日出新聞8月号より (台東区の地方新聞) 8月号より 
※同紙はネット上に公開されていないため記事の全文をここに紹介します。
長文の記事ですが、問題の経緯がよくまとまっています。 ヒノデ新聞社 東京都松が谷2-8-1 TEL 5828-4088
  
遂に「外部監査請求」へ
    工期2年延長、追加工事日35億円増額

 2年の工期延長。35億円の工事費負担増は税金の無駄遣いー。上野広小路地下駐車場の建設をめぐる区の不明朗な動きに、ついに住民が監査請求に立ち上がった。上野地下駐車場問題懇談会は、7月19日、台東区役所で、外部監査請求書提出に関する記者会見を開き、今後請求受け入れに要する有権者の50分の1を大きく上回る1万人の署名集めに乗り出すことを明らかにした。各地で公共事業のムダ遣いに批判が高まる昨今、上野でも「1台・1億円」のコスト計算となるトンデモ駐車場が建設進行中で、当初提唱された地域活性化とは程遠い行政の無計画ぶりが浮かび上がる事態となった。地元民、商店街からも工期延長にブーイングがわき起こる中、事業の可否を問うべくメスが入ることになる。
          1台あたり・1億円の不採算駐車場にメス!!
 記者会見には、同問題懇談会代表委員の大木了二(共立合同税理士事務所・税理士)、清水洋(台東協同法律事務所・弁護士)、宮内盛雄(不忍の池を愛する会代表委員)、山田信之(東京合同事務所・司法書士)の四氏が出席、監査請求に至るまでの経緯を説明。

 上野広小路地下駐車場建設事業」(収容台数300台)は、平成14年10月に東京都と台東区が東京メトロに工事委託する協定を締結。総事業費は135億円で、このうち台東区の負担は99億円と定め工事に着手。

 しかし、17年9月には突然工期の2年延長(20年完成)と台東区の負担分約35億円の増額が発表された。民間の契約ではあり得ない増額であり、東京都が一体で建設する地下歩行者専用道工事や機械設備費を合わせると総事業費は300億円以上に膨れ上がる上、計算上では1台あたり1億円の高コストになり、維持管理やメンテナンス面等を勘案すると何年たってもペイしない赤字漬けの駐車場ができる事になる。

 なお、現在計画されている「御徒町駅南口広場再開発」でも、320台規模の立体駐車場を建設予定だが建設費は5億円程度で、これと比較しても広小路の計画は費用対効果を無視した税金の無駄遣いであるとの謗りは免れない。

 このように大規模公共事業と区税の使われ方を疑問視するするものとして、第三者による適正なチェックを求めるべく請求に必要な署名集めに動き出した。

 地下駐車場建設計画は、上野地域の駐車場不足の解消策の一環として、当初は不忍の池の地下に低工費で建設する案が浮上し、実現に向けてスイス・レマン湖の同じ形式の駐車場を視察したこともあった。

 その後、自然保護団体が不忍の池案では、公園の緑に環境被害が及ぶとして反対、見直された結果、上野広小路の地下を適地として選んだ。

 しかし、この場所も地下に銀座線が走り、難工事が予想され好適な場所とは言いがたく、工事では出水が相次いだり、遺跡が発見されるなど、事前調査費として5億円も計上していながら不測の事態に対処できなかった点も問われている。

 地元商店街からも、「大江戸線の工事から数えると12年にもわたって路上は車止めされ、商売に負担を強いられてきた上、工事は遅れる、工事費も追加ではこんないい加減な話はない」とブーイングの嵐だ。

 これまでローカルな地域では、数百億円もかけて大がかりな施設を完成、収支面でペイできず責任を追及される行政の事例はニュースなどでも見かけられたが、東京の都心部で起きるのは珍しいといえる。

 なお台東区で過去に起きた監査請求の記憶に新しい事例としては、「大相撲のマス席」問題がある。蔵前国技館があった当時、台東区が接待用に税金でマス席を購入したものの、年を追うごとに15日間のマス席を埋めることが困難となり、タライ回しにしていた件で監査請求が入り、当時の区三役や既に引退していた元三役が経費2千数百万円を自費で弁償、ようやく収拾がついた。

 今回も区民負担(一人当たり約20万円)の大きさから、今後明らかになる計画の詳細次第では誰のための駐車場建設だったかのか、再度行政が問い直されることになるだろう。

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