2006年09月16日

ただのいぬ。プロジェクト Vol.2 Do you have home? 展

doyouhavehome.jpg去年開催された「ただのいぬ。展」が今年も開催されるというので、見に行ってきたのだ。

ただのいぬ。プロジェクト Vol.2 Do you have home? 展」と銘打たれた今回の展覧会は、名前が示すように、「あなたに家はありますか?」という問いかけから始まる。日本で飼われている犬は約1300万頭。だけれども、その陰に隠れて年間数万頭が「処分」されている現実。

「あなたに家はありますか?」 人のそばで生きる犬たちの答えは、必ずしも「Yes」ではない。展示の始めは、その問いかけへの答え。写真とともに飼い主のコメントが並んでいる。一枚目「Yes」。二枚目「Yes」。三枚目「No」。

「Yes」のパネルに書かれた、その犬と飼い主のたくさん情報とは全く逆の、写真と、「No」という答えと、「Tadanoinu」という名前ですらない文字と、それ以外を埋める真っ白なスペース。去年の展示を見ているだけに、その真っ白なスペースの意味するところを想像して、三枚目でもうこみ上げてくるものがある。

でも希望がないわけではない。答えは「Yes」と「No」の他にも用意されている。まだ、本当の家はないけれど、これからできるかもしれない、という希望。つまり「Not yet」。処分待ちの犬を動物愛護団体の「預かりボランティア」という制度で、最適な飼い主が現れるまで面倒を見る。

展示の後半は、例の悲しいとしか言いようのない「不運」の行く末と、その逆に新たに家の出来た犬たちの「幸運」の対比。「預かりボランティア」で引き取られて、新しい家族の元にたどり着くまでの一部始終がとても印象的だった。

「Yes」と「No」、「幸運」と「不運」の、それぞれの犬たちの、同じように愛らしい姿。なのに、瞳が物語る感情の違いがとても胸に刺さる。はせがわさんが、預かりボランティアに引き取られ、新しい家族に引き渡される一頭の犬の写真群を見ながら、「どんどん目が変わっていくのがわかるんだよね」と言っていたのもうなずける。彼らも本当に目の輝きが違うのだ。

さて、ここから得られるメッセージというのは人それぞれなので、ぜひ会場に足を運んで欲しい。

投稿者 いづやん : 2006年09月16日 23:32 | トラックバック
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