八代神社から15分ほど歩いて着いた神島灯台は拍子抜けするほど小さな灯台。明治43年建設らしい。でも取り立てて何かがあるわけではない。高台に位置するので雲の状態が良ければ遠く伊良湖岬まで見ることが出来るだろう。10月にはサシバの渡りが観察できたりするらしい。
さらに奥の道に入る。これがまた普段は全然人も通らないだろう道で、蚊に加えて、でっかいクモがしょっちゅう道の真ん中に巣を張っているのだ。ああ、さっき八代神社であったおばあちゃんがなんで長い枝の切れ端を手に持っていたのか分かった。それでクモの巣を払いながら歩いていたんだ。タオルをふりふり、もう一方の手には、それこそいつ何時辻斬りに会うのではないかという武士のような心持ちで枝を構えつつ遊歩道を行く。
島の南東の端にあるのは、「監的哨」跡。戦時中、伊良湖岬から打ち出された試射弾の着弾点を観測したという陸軍の施設跡がある。コンクリの三階建ての建物は、廃墟となっていて、中にも簡単に入れるようになっている。屋上に上がってみると、とても眺めがいい。眺めが良すぎて足が震える。これはきっとずっと上り坂を歩いてきたからだ、と言い聞かせたけれど、屋上からすぐ下は絶壁で海までまっしぐら、な眺めと無関係ではなさそうだ。それでも林からはすこし離れていて、風の通りもいい屋上は、日差しを避けるものはないが蚊がいないので実に快適。波が砕ける様を眺めたり、鳶が飛ぶ姿をしばらく眺めて休憩。
その後は、さらに南下して神島小・中学校の校庭のそばに出て、ニワの浜のわきにある東屋でぼーっとする。台風によるうねりで多分いつもより大きな潮騒を聞きながら一休み。風と波の音が気持ちよくて10分くらいだろうか、うとうとしてしまう。それにしても、人がいない。本当にいい。
ぐるりと島を一周して集落に帰ってきたのは、午後2時前。宿に一度戻って一休みして、またぷらぷら集落を歩いて、午後3時の船で帰るという同じ宿の女の子を見送ったりして、夕方になっていった。それにしても、この集落で缶蹴りや、ケイドロ(ドロケーか?)をやったら本当に楽しいだろうなあと思う。怒られちゃうかも知れないけれど。かくれんぼはオススメできない。なぜなら、一度鬼になったら最後、絶対見つけられなくて日が暮れるまで鬼確定、だから(笑) とにかくこの集落の入り組みよう、斜面にひしめき合うように立ち並ぶ様は一見の価値あり、だ。それと、ここは斜面にたくさんの建物が建っているので、なんとかという条例で、鳥羽市長の許可無く木を抜いたり、穴を掘ったりしてはいけないそうだ。そんなことしたらたぶん周りの家が傾くんだろうね。
投稿者 いづやん : 2005年09月15日 23:59 | トラックバック
写真集見てるみたいだよ。きれいだねぇ。
Posted by: やまえ : 2005年09月16日 23:45おお、ありがとうございます。
写真をほめられるのは、文章をほめられるよりもうれしいですねえ。
毎回旅に出る前はデジカメだけか、一眼レフを持って行くか悩むんです。
やっぱり次は一眼を持って行って、写真を撮ることに専念したいですね。
広告絡みです
神島灯台のレプリカ新発売でネット検索中貴サイトを知りました。
ケイドロ(ドロケーか?)初めて聞く言葉で何のことか非常に興味があります。集落での缶蹴りなど我々だったら絶対やります「怒られるまで」は楽しめますから。又それが許される様な昔の日本が残っていて欲しい。残っていそうな雰囲気の写真と感じながら拝見いたしました。
> マツ・モデルデザインさん
初めまして。
広告がらみだと言うことですが、
神島灯台の模型の出来の良さに正直驚きました。
実はかなり欲しくなっています(笑)
これから制作予定のものをどんどん作られるのでしょうか。
できればぜひ「犬吠埼灯台」を作って欲しいですね。