「アクセス解析」とは単純に言えば、ウェブサーバが蓄積する「アクセスログ」を解析することを指す。「アクセスログ」とは、いつ、誰が、どこから、どんな環境で、どのページにアクセスしてきたかを記録しているものだ。今ここも含めてあちこちで普通に見かける無料のアクセス解析サービスを提供しているのが「忍者ツールズ」なのだけれど、そこのアクセス解析は、「アクセス日時」「サイトに訪れた回数」「モニタ解像度」「Javascriptがオンか」「Cookieがオンか」「リファラー」「ユーザーエージェント」「言語環境」「リモートホスト」が分かるようになっている。
前回の最後に「アクセス解析はマーケティングに他ならない」と述べたけれど、いくつかの理由による。
サイトを訪れた人はいちいち「ここが見づらい」とか「うちのブラウザでは表示できない」とは言ってくれない場合がほとんどだ。サイトを制作する時には、もちろん訪れる人のことを考えて作るわけだけれど、例えば「アクセスログ」の「モニタ解像度」の傾向を見れば、「ああ、1024 × 768の人がほとんどだな」とか「未だに800 × 600の人がいる」と言うことが分かる。そこで「1024 × 768」をメインターゲットに据えて、「サイトの横幅は900ピクセルくらいで行こう」とか「大多数の人にストレス無く見て欲しいから750くらいで作るか」という方向性を決めることが出来る。
また、「ユーザーエージェント」と言うのは、ユーザーが利用している環境を示しているもので、OSの種類とバージョン、ブラウザの種類とバージョンなどが表示される。MacかWindowsか、MacならOS 9以前なのか、OS Xなのか、Windowsなら98なのか、それともXPなのか。ブラウザは、Internet Explorerなのか、Netscape、Firefox、Safari、Operaなのか。バージョンは4なのか、最新のものなのか。
それらが分かると言うことは、サイトで使用する機能を選択する時に役に立つ。例えばWindowsのIEなら動作するが、MacのIEでは動作しないJavascriptがあったりするし、スタイルシートは古いバージョンのブラウザでは満足に表示されないこともある。サイトのレイアウトや機能を絞り込んだり、あるいは割り切ってある程度のバージョンまでは切り捨ててサイトを制作する、という時にも、ユーザーの環境が分かるのは大事なことなのだ。
以上は、ほんの一例だけれど、アクセスログに現れている傾向やユーザーの状況を見て、サイト作りに反映するというのは、今や当たり前と言える。どんな顧客が来ているか把握して潜在ニーズを満たす、つまりこれはマーケティングの一要素なのだ。
次回は「リンク元と検索ワード、ユーザーの導線」について。
投稿者 いづやん : 2005年05月28日 23:51 | トラックバック