下書きを書いてアップするのをすっかり忘れていた。見てから二週間以上経っているけれど、今さら上げてみる。
予告を見て「面白そう!」と思ったので素直に行くことにしたのが、キアヌ・リーブス最新作「コンスタンティン」だ。やっぱりというかどうしてもというか、「マトリックス」と比べてしまうのは致し方ない。「結局味付けの違う救世主話なんじゃないか」という不安もなかったわけではない。
ストーリーは、悪魔祓い師(エクソシスト)ジョン・コンスタンティンは重度のチェーンスモーカーで、末期の肺ガンを患い余命一年と宣告されている。だが、そんな体を押してハーフ・ブリードと呼ばれる悪魔の使い達を退け続けるのには訳があった。彼は以前、見えないモノが見える自分の力に絶望して自殺を謀るが、死んで二分間だけ見た行き先は地獄だった。キリスト教にとって自殺は何物にも代え難い重罪だ。自分の未来を知ってしまったコンスタンティンは、天国へ行く権利を得るために悪魔のハーフ・ブリードを地獄へ送り返す仕事を続ける。ある日妹の不可解な死の原因を探る女刑事のアンジェラが彼の事務所を訪れる。そこから様々な陰謀と戦いに巻き込まれていく・・・といった感じだ。
さて、以下はネタバレなのでご注意を。
のっけから「どーん!!」というでかい効果音で飛び上がるくらい驚かされる。ホントに2センチくらい飛び上がった。ちょっとやりすぎ、という箇所がいくつかあったなあ。でかい音で脅かすのはせこいぞ。
コンスタンティンは、基本的にエゴの固まりでイヤなヤツという描かれ方をされている。「マトリックス」のネオよりも、こっちの方がずっといい。何を為すべきか分かっている救世主よりも、どうにもならない運命を知りつつも、自分のエゴを剥き出しにしながらもがき苦しんで戦うほうが、より感情移入できる。ただ残念だなあと思ったのは、後半ちょっとイイ人、になってしまったところかなあ。口だけは最後まで悪かった。その辺りが中途半端な印象を与える。
劇中、至る所で使われるアイテムがいい。「悪魔の棲む家にいた虫」、「ヨルダン川の聖水を込めたアンプル」、「聖書」、「運命の槍」、百人以上を処刑した「処刑用椅子」、触れた水を全て聖水に換える「二つの十字架」などなど、悪魔払い用のアイテムがあちこちに出てきて、面白い。
中でも一番のツボだったのは、バルサザールと言う悪魔のハーフ・ブリードを対決する時、首を締め上げられてピンチの時に上着の中から何やらアイテムを出そうとするコンスタンティンに期待して見ていたら、出てきたのが十字架の刻印のある金ぴかの「メリケンサック」! なんて原始的な!(笑) しかもかなり効果的!
冒頭部分の鏡を使った悪魔祓いも結構面白かった。ほほう、そういう方法もありか。一緒に見に行ったじゃあ二も言っていたけれど、悪魔や、悪魔のハーフ・ブリードの造形が割と単純で残念と言えば残念。
ストーリーについていえば、早い段階で黒幕がなんとなく分かってしまうのと、「悪魔そのもの」は人間界に直接干渉できないはずなのに、ラストのあのやりとりはどうなのか、というのが見終わった後に引っかかった。ご都合と言えばご都合かもしれない。まあ、そういったことを常に考えてしまうとこの手の映画はどれも見られなくなってしまうので、敢えて目をつぶることにしよう(笑)
個人的にはラスト近くのスプリンクラーの雨の中での戦いが格好良くて好きだなあ。それと! 今回一番感心したのが、最後の最後まで、安易にヒロインとチューしないところ! 普通こういったハリウッド映画は気が付けばヒロインとキスしてしまうところだけれど、それがない。いいぞ、それでこそのやさぐれコンスタンティンだ。
最後に一つ。映画はスタッフロールまで鑑賞してこそだと思うのだ。席を立つ連中は呪われてあれ! ・・・と思っていたら、スタッフロールの後に、ちょっとした後日談が出た。なるほどね。
投稿者 いづやん : 2005年05月06日 01:43 | トラックバックほぼ同じ感想を持ちました。私の場合、アメコミが原作という前知識があり「御都合主義的な部分には目をつむって、単純に娯楽映画を楽しもう」という姿勢で見たので、楽しんで見られました。
一つだけ気になったのは、神の側のハーフブリード・ガブリエルが、せっかく男にも女にも見えないように作られていたのに(天使に性はない!「ドグマ」見ました?)、字幕が最初から女言葉だったこと。キャスティングもメイクも、狙ってそうしたことがわかるだけに、日本版スタッフがぶちこわしちゃった印象です。
初めまして、いらっしゃいませ!
そうですか、同じ感想でしたか。良かった(笑)
アメコミ原作なのは知ってました。
まあ、悪魔と天使モノなんて、ご都合主義でなくてどう料理するつもりなのかと思っていたので、
自分も結構楽しめました。
いや、かなり楽しめましたね〜。
> 字幕が最初から女言葉だったこと。
やっぱり中性的にしてましたよね?
一緒に行った友達は「あれは女だろ?」って言ってて、
言葉からするとそうだろうけどなあ、でもどうかなあって思ってましたけど。
映画をノベライズ化したものが出てたので読んでみたら、
そっちの方はなんと「オレは」と言ってました(笑)
字幕は難しいですね。吹き替えはどうだったんだろう。
字幕問題は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで散々思いをしましたっけ(笑)
最近は出来る範囲で脳内変換して楽しんでいます。
おー、ドグマなら見たぜ。神様の設定が面白いやつな。
内容はコンスタンチンの方が面白かったけどね。
天使も悪魔も有名どころが出てきてよかったよ。
ガブの召喚ポーズも、ことあるごとに真似するよ。
で、ガブの性別論争だが、天使に性別の設定が無いのは一般的(イスラムじゃ絶対に男!)らしいし、有森選手の旦那もガブリエルだったよな。でも、日本じゃ”ガブは女”ってゆうイメージの方が強いんじゃないか?俺はその一人だな。きっと字幕書いた人も、そうゆう先入観に合わせたんだよ。ルシファーは明らかにおっさんだったな。元天使のくせに。
さて、あちこちのサイトでもガブリエルって一体? という話が出ているので、
ちょっと調べてみた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ガブリエル
こちらの事典はには、「若い女性か中性的な顔立ちの青年」とあるね。
だからどっちかと言えば、やっぱり女性寄り、なんだろうなあ。
でもね、ラストで登場する時の衣装を見ていたら、
ピッタリした服なのに胸がなかったように思ったんだよね〜。
単に貧乳なだけだったかもしれないが(笑)
ま、劇中のガブリエルは「大天使ガブリエル」そのものではなくて、
同じ名前の天使の側のハーフ・ブリードだから、という言い逃れもできそうだ。
有森の旦那はハーフ・ブリード?(笑) んなわきゃない。
ルシファー、というかサタン、はヤクザな小堺一機みたいだったな。
もしかしてこの映画の中で一番好きなキャラクターかもしれん(笑)
> ガブの召喚ポーズも、ことあるごとに真似するよ。
「汝に命ずる、姿を現せ!」のアレね。
この前ハヤスの前でやってたけど、
ヘタすると後ろからジュゴンのハーフ・ブリードが現れて圧死、かもだ。
安易にヒロインとちゅーしないところ、
私も、イイ!と思った部分です♪
> chishiさん
こんばんは〜。
結構ハマッたみたいですね、コンスタンティン。
こちらからTB送ってすっかりコメント書くのを忘れてました。
後でお邪魔しますね。