結局MR.BIGに何を求めていたかと言えば、それはポップさ、だったのである。そのMR.BIGも解散して何年にもなり、各メンバーもそれぞれの道を歩んでいる。
ポール・ギルバートのソロアルバムを聴いて、エリック・マーティンのソロアルバムを聴かない理由、それはポップかどうか、の違いであると気が付いたのはつい最近のことだ。もちろんエリックの歌声は彼の持つ唯一無二のものだったし、彼の声あってのMR.BIGだったのだけれど、それはポールが紡ぎ出すポップでキャッチーな曲に乗ることでより一層魅力を増していた、というのはMR.BIGファンなら理解して貰えるだろう。
ポール・ギルバートの通算五枚目のソロアルバム「Space Ship One(スペース・シップ・ワン)」が発売された。HMVで一曲目を試聴して即レジに持って行った。今作もメロディに溢れているのがそれだけで分かったからだ。一曲目の「Space Ship One」もよかったし、続く曲のどれもがよい。三曲目「On The Way To Hell」も、「SVT」もスピード感があるし、メロディもあるし、ギターソロもカッコイイ。
ポール・ギルバートを語る時によく「速弾きの・・・」と聞くが、それだけで彼の才能を評価してしまうのはどうかと思う。彼の真骨頂は確かな技術に裏打ちされたメロディセンスにある、と考えているからだ。速弾きならイングヴェイ・マルムスティーン御大や、クリス・インペリテリがいるけれど、彼らは彼らの得意な極狭い領域で頑張っているに過ぎない。いや、好きだけどね、イングヴェイもインペリテリも。ただ速弾き部分に関しては、最近手クセで弾いているんじゃないかと思うようなつまらないフレーズが多いような気がして仕方がない。
話しがそれた。ポール・ギルバートは自身のソロの他に、超絶速弾きヘヴィメタルバンド「Raser X」も復活させて、叔父さんとのブルーズバンドもやったりと相変わらずのマルチぶり。この新しいソロアルバムも佳い曲が多くて実にいい。まあ正直突然日本語が飛び出すその名も「僕の頭」はどーかと思うけれど・・・(笑)
一番のお気に入りは12曲目「Wash My Car」。軽快で疾走感溢れるいい曲だ。「車を洗えば気分爽快!」「ぴかぴかに磨いてハリウッドへゴー」とかもう脳天気でシビれる。でも本当にシビれるのはギターソロ部分。なんだかスタジオでジャムったのをそのまま使っているようなライブ感があるソロで聴いていて自然と体が動く。それでいて計算されたかのようなスリリングさがあって面白い。
メロディ満載のロックが好きなら買って損はないと思う佳作だと思う。
ポール・ギルバート「Space Ship One」が気になる方はこちらをどうぞ。
>> ポール・ギルバート 「Space Ship One(スペース・シップ・ワン)」
かっこいいジャケ写だね。
Posted by: まかたぷ : 2005年04月04日 00:19「Space ship one」というタイトルから、わざわざオレンジ色の宇宙服を着て撮影したみたいですね。
・・・というか、この宇宙服が着たかったからこの曲作った、みたいなウワサもちらほら・・・(笑)
たぶんライブもその宇宙服着てやるんじゃないかと・・・暑くて死んじゃうかもですが。
ジャケ買い、高校や大学の時によくしてましたねえ。
一曲でも佳曲がめっけもんでしたねえ。
ああ〜、久しぶりにライブに行きたくなったぞ。
Posted by: いづやん : 2005年04月05日 00:30