2004年11月19日

モーターサイクル・ダイアリーズ

motorcycle_diaries.jpg10月の終わりに、京浜東北線さいたま新都心駅に新しくできたショッピングモール「コクーン」内にあるシネコン「Movixさいたま」で、「モーターサイクル・ダイアリーズ」を見てきた。この記事の下書きをしていて上げるのをすっかり忘れていたのである。今さら上げてみる。

・・・さて、告白すると、実はつい最近までチェ・ゲバラなる人物が誰なのか知らなかった。大変なことである。しーしゃんに刺されるかも知れないのである。はまげんなんかはきっと飛ばっちりで「いづの教育がなってない!」とご飯抜きになるかもしれない。いやPalm抜きになるかも知れない。ああこっちの方がはまげんには堪えそうだ。

・・・いや、ウソです。ただ、しーしゃんや、まかべさんも然りなのだけれど、こんなに自分の身近にゲバラについてよく知っている人がいるというのになぜ知る機会がなかったのかなあと不思議に思うばかりということを言いたいのだ。

映画はまだゲバラが医学生の時に、親友アルベルトと、おんぼろバイクに二人乗りして南米一周旅行に出る、というロードムービー。南米の切り立った山々や、埃立つ砂漠、アマゾンの大河や森、インカの遺跡。そんな風景がまず心をとらえる。どう考えてもバイク、しかも二人乗り向きでない行程だけれど、それがまた面白い。時には力任せに乗り切ったり、口八丁手八丁で切り抜けたり、旅って言うのはこういうことがあってこそと思うようなシーンばかりだ。

そして南米の各地で見ることになる、搾取や圧政に苦しむ人たちの瞳と、それとともに聞かされる言葉の数々。特にペルーの砂漠を歩きで越えようとした時に出会ったインディオの夫婦の、静かな凪の海のような、だが深い無常観をたたえたまなざしが忘れられない。そうした出会いは青年のゲバラの心にいくつもの種を植えていく。

この映画のハイライトは、ゲバラが当初の目的通りアマゾンの森の中に作られたハンセン病の養護施設にたどり着いてからだろう。ここにたどり着くまでに彼の心に植わっていた種が、少しずつ芽を出し始める。それは彼の信念と、人への愛情となって、施設の空気を変えていく。患者たち、医師、最後は頑なな修道女までも。

結局ゲバラがどれだけの偉業を成し遂げたのかはよくわからない。なんとなく思ったのは、この映画はこの旅の後ろに待ちかまえている伝説的な英雄の話の序章ではなくて、一人の青年の、旅を経ることによってしかできない成長の物語と捉えた方が面白いのはないか。そうすることによって、自分にも「何かできるのではないか」と置き換えられるのではないか。男ならどこかで胸が熱くなる映画だと思う。

最後に。・・・かっこいいんだよなあ、ゲバラ役のガエル・ガルシア・ベルナルが。そして、旅に出たくなるんだよなあ。バイク、いっぱいに積まれた(そして犬までこっそり載っている)荷物を見ると、旅情をかき立てられる。罪な映画だ。

この映画が気になる方はこちらをどうぞ。
>>「モーターサイクル・ダイアリーズ コレクターズ・エディション」

投稿者 いづやん : 2004年11月19日 23:33
コメント

確か2年前に『チェ・ゲバラ/人々のために』ってドキュメンタリー映画があったと思う。
本人はあの俳優なんて目じゃないかっこよさ。
ビデオ屋であったら見てみてよ。
あの、優しいんだけど鋭い眼がいいんだよね〜。

Posted by: しーしゃん : 2004年11月20日 22:49

お、そんな映画があったのか〜。今度見てみよう。

では、ゲバラのことを知るのに最適な、最初に読む本は〜?

Posted by: いづやん : 2004年11月21日 22:46

昨日偶然 本屋の二階にあった蔦屋に
入って二年ぶりにレンタルビデオという店をぶらぶら
してたらこのビデオ見つけたよ
すかさずチェックしたけど借りられてた
今度見てみよう

映画はいまだにみていません
早くしないとやばいね

Posted by: またかプ : 2004年11月24日 01:47

> 映画はいまだにみていません
> 早くしないとやばいね

恵比寿ガーデンシネマあたりだと、まだロングラン上映中かもですよ。
大島の行きの船でゲバラとキューバの良さについて語ったじゃありませんか。
そんなまかべさんが見に行かないなんてッ。

そしてあの時はまげんはゲバラについての説明を求められて
何を思ったのかPalmに「Che Guevara」とだけ手書きで書いて、
「これがチェ・ゲバラだよ!!」と力説ぶちかましては、
周囲の「だからゲバラって誰なんだよ!!」という困惑を誘っていましたねえ(笑)

Posted by: いづやん : 2004年11月26日 04:01

ごあいさつがおくれましたが、
TBありがとうございました。
「モーターサイクルダイアリーズ」本当に
いい映画ですね。
原作も読みたくなりました。

コメント欄に書かれている
『チェ・ゲバラ/人々のために』のご本人
本当に眼力があってかっこいいですね。
特別に慕われ続けていることがすごくわかる
映画でしたね。

Posted by: ぽん : 2005年06月04日 10:58

コメントありがとうございます。

いい映画ですよね〜。
なんていうか、自分の中の熱い血がたぎるというか。
どこかにふらっと出かけてしまいたくなるような。

ゲバラについて他の映画見たり、本を読んだりしたいと思いましたね〜。

Posted by: いづやん : 2005年06月08日 23:19
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?