一作目、二作目に比べると随分早いが、「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」のコレクターズ・エディションDVDが発売に8/4に発売された。そりゃ買ったさ。いくら「スペシャル・エクステンデッド・エディションDVD」(SEE)を買うことが決まっているとしても、買わないわけがない。だって心底ファンですもの。
・・・さて、本来ならSEEが出てから書くべきなのかもしれないが、DVD発売記念である(大分遅くなったけれど)。かねてからずっと考えていた「ロード・オブ・ザ・リング 極私的ランキング」を敢行することにしよう。あくまで「極私的」なのである。独断と偏見と偏愛と極論に満ち満ちていることをあらかじめ肝に銘じて読んで頂きたい。長いので今回は本文を別にした。下のリンクから読み進めて欲しい。なお、「ロード・オブ・ザ・リング」は「LOTR」、第一部「旅の仲間」は「FotR」、第二部「二つの塔」は「TTT」、第三部「王の帰還」は「RotK」スペシャル版DVDは「SEE」、監督のピーター・ジャクソンは「PJ」と略してある。
3位は、お気に入りシーンとかぶるが、フロドがホビット三人に順に別れを告げるシーンに泣ける。4位はTTTなかでも随一と個人的には思っている泣きポイント。シンベルミネのアップから、セオデンの悔やみ言、ガンダルフの慰め、膝から崩れ嗚咽を漏らす王。派手さはないがよい場面。
5位で泣ける人は、原作ファンか、食いしん坊か、真のホビットである。イシリエンの森でサムがゴラムからもらったウサギでシチューを作る。原作ならここで至福のごちそうタイムがあるのだが、映画ではこのあとハラドリムとオリファント観賞に夢中になり、ファラミアたちに捕まってしまう。ここで、誰もが思った。「あのシチューは食べたのか!?」「きっとSEEでは食べるシーンが追加されるに違いない!」と。だがSEEでも追加されなかったし、ファラミアに連れていかれたヘンネス・アンヌーンでも原作のように客人としてではなく、囚人として連れられていったので食事にありつくことなかった・・・。そんなとき我々は食べることが喜びのホビットたちの身の上を思って泣けるのである。
ところで、人によってはTTTの終盤、オスギリアスでサムが「この世には命をかけて戦うに足る何かかがあるのです・・・」と長々とセリフを言うシーンで泣けると思うのだが、残念ながらオレは泣けない。むしろ主人フロドに説教しているサムに憤りすら感じる。このセリフ自体はほぼ同じものが場面は違うが原作にもある。状況的にはもっとおだやかな口調で、サムが独り言のように主人に聞かせるものだが、脚本家陣は何を思ったのか、現実の戦争問題を明らかに意識させんばかりな使い方をしてきた。それが鼻についたので泣けるどころか違和感を感じたのである。
2位は、それ単体ではまあ可笑しいと言えば可笑しいが、FotRのバルログに追われて巨大な階段を下りる際、アラゴルンがギムリを向こう側に投げようとすると「ドワーフを投げるな!」と言う。それを覚えていたら、ここでさらに笑える。ヘルム峡谷の戦いで角笛城の門の脇でのやりとり。「Toss me(投げてくれ)」とおずおずというギムリに「ほほぅ、いいんか?」という目線を送るアラゴルン。吹替え版だとちゃんと「とんがり耳のエルフには秘密だぞ!」と釘を刺すセリフまで聞ける。
3位は、RotKでエドラスに戻って来て宴会が開かれる。そこでテーブルの上でメリー・ピピンが歌って踊るシーンがあって微笑ましい。だがよく見ると、踊り始めた時にテーブルに載っているマグの一つを蹴飛ばして、そのビールをかけられたギャムリングが渋い顔で何やら文句を言っている。芸が細かい。
4位も芸が細かい笑い。水浸しのアイゼンガルドで水に浮かぶリンゴを見つけたピピンはなぜか空を見る。なぜここが笑えるかと言えばそれはFotRに同じ場面があるから。FotRでアラゴルンと合流したホビットたち。途中ピピンがアラゴルンに「二度目の昼ご飯は?」と聞くがないといわれ、不服に思っていたら丘の向こうから飛んで来たリンゴが頭にヒット。思わずどこから飛んで来たのかと空を仰いでしまう。アイゼンガルドの場面はこれを思い出して笑ってしまうのだ。
5位は・・・笑えるというか、失笑。最後にやっちまったか、という感じで。
投稿者 いづやん : 2004年08月30日 00:50 | トラックバックトラックバックありがとうございました。虹の父(別称rf)<@愛知県%大阪人>です。
笑えるシーンの2。いづやんさんの解説読んで、なるほどと納得。まだまだLOTR初心者ですので、勉強させていただきます。
こちらへ来て、驚きました。なんと、「星野道夫」というカテゴリーがあるではありませんか!ガイアシンフォニーの事も書いてはるし・・・。ちょっと腰据えて、おじゃますることになると思います。今後ともよろしくお願いします。
Posted by: 虹の父 : 2004年08月31日 14:22初めまして、こちらこそトラックバックとコメントまでありがとうございます!
勉強だなんて大げさな(笑)
でも知っていると楽しみが増えることが多い映画であることは確かですね。
星野道夫を知っているんですね。うれしい限りです。
こちらこそよろしくお願いしますね。
そちらにも遊びにいきます。
星野道夫さんは地球交響曲3番で、再度知ったというか、知ってはいたが、意識するようになりました。ということは、興味ある方として見るようになったのは、亡くなりはってからということになります。写真家でこれだけ文才のある方は、他にいてはるんやろかと思わせるほどの文章。文章と写真だけで、これだけ見る人、読む人に語りかけてくる人もいないように思います。
地元で10月の末に、5番を観に行きます。楽しみです。
Posted by: 虹の父 : 2004年09月01日 23:25> 写真家でこれだけ文才のある方は、他にいてはるんやろかと思わせるほどの文章。文章と写真だけで、これだけ見る人、読む人に語りかけてくる人もいないように思います。
おっしゃるとおりですね。
「天は二物を与えず」という言葉がありますが、
星野さんに関してはこれが当てはまらない。
写真も文も素晴らしくて、しかも双方を補完する役目をしている。
まさに希有の写真家だといえますよね。
第五番、東京でのロードショー見逃したので、
ゆっくり時間のとれるときに見に行きたいです。
体調整えていかないと、寝てしまう部分がないとは言えないので(笑)
【泣けるシーン】
ボロミアの死(FotR アモン・ヘン)
灰色港(RotK 灰色港)
サム、一人旅立つフロドに追い付く(FotR パルス・ガレン)
サム、フロドを担ぐ(RotK 滅びの山)
緑竜館で静かに乾杯〜サムとロージーの結婚式(RotK ホビット庄)
【笑えるシーン】
ガンダルフ VS サルマン(FotR オルサンク)
レゴラスじゅう狩り(RotK ペレンノール野)
エオウィンのシチューがマズい(TTT SEE 馬鍬砦)