久しぶりに味噌汁を家で作った。それをすすっている時にふと、頭をよぎったこと。
小さな店先で樽に盛られた何種類もの味噌から、お気に入りのものを見つけてちょっとした袋に小分けにして売ってもらい、今日買った味噌はどんな味がするだろうと想像しながら味噌汁を作る、そんな生活がしたい。
あるいは。あちこち食べたけれど、やっぱり近所の豆腐屋の豆腐でなければダメと、一丁分が入る器を下げて買いに行く、そんな生活。
種から収穫、いただきます、まで顔見知りな野菜を食べる、そんな生活。
軒先で干されて常にネコに狙われる危険を冒しつつ、天日でじっくり美味くなる干物を、その干してある網から直接買う、そんな生活。
いやいや、そんな贅沢をするにはまだまだ年若いと言わざるを得ない。そういう身分になるにはまだまだやらなければいけないことが沢山あるんだなあと、味噌汁を飲み終わる頃には思い直した。