今年もこの日になった。語呂が良いからか、8年前のこの日から、一度も忘れたことがない。8月8日は写真家の星野道夫さんの命日。
先週、ちょっとしたことから恵比寿で「白クマになりたかった子ども」というフランスのアニメ映画を見た。映画の出来不出来はともかく、映画の根底に流れるテーマが「昔は人と動物の境目が曖昧であり、人は望めばクマにもなれたし、クマは人にもなれた」という神話観だった。
奇しくも亡くなる何年か前から星野さんがアラスカで取り組んでいたテーマに一部重なるし、子供向けに書いた写真絵本「ナヌークの贈り物」の内容である、クマ(とそれに象徴される自然全て)と人との命のやりとりを伝える、という部分にとてもよく似通っている。
しかし、例えばその相似から自然保護だとか動物保護、懐古主義を論じるつもりはない。ただ、忘れかけていても、こうして毎年何らかのきっかけで大事な日を思い出す。そんな日が自分の中に一つか二つ、あったっていいのではないか。そうやって少しずつ積もっていった大事なものが、何十年後かにふとどこか全く違う生き方に繋がったり、思わぬ人に結びつけてくれるかもしれない。
星野さんはその著書「旅をする木」の一章「アラスカとの出会い」でこう言っている。
「人生はからくりに満ちている。日々の暮らしの中で、無数の人とすれ違いながら、私たちは出会うことがない。その根源的な悲しみは、言い換えれば、人と人が出会う限りない不思議さに通じている。」
星野さんは、アラスカに行くきっかけを作った写真を撮った人物と出会い、そんなことを考えた。・・・自分にとってのその「不思議さ」の一つが、毎年思い出す大事な日であるかもしれないと考えた。少し大袈裟かもしれないけれど。
写真家・星野さんが亡くなったのは知っていたけど、8年前の8月8日だとはもちろん覚えてなかった。
ついこのあいだの8月8日は妹の一人娘(わたしの姪ですね)ゆいちゃんの3回目の誕生日。ちょうどうちに家族で遊びに来てて、みんなでケーキ食べて幸せに過ごしてました。
わたしもきっと来年からは、ふっと星野さんのことを思うんだろうね。。。いづやんのこの文を読まなかったら、思い出すこともなかっただろう素敵な写真家さんにこうして
再び出会うことが出来たってすごい。
星野さん知ってるの〜?
なんだかうれしいです。
動物写真家、ではなくて、アラスカの写真家と呼ばれる星野さんは、
自然や動物ももちろん撮って来たし、すばらしい写真ばかりですが、
その神髄は、アラスカの自然を文化や人々も含めて語った文章にこそあると思うのです。
写真だけでは伝えきれない深い部分を飾らない文章で伝える。
良い本が多いので、ぜひ。
前にしーしゃんに一冊上げたらはまってましたよ。
Posted by: いづやん : 2004年08月19日 01:52母の机の上にあった本を何気なく手にとって、通学の電車の中で読むことにした。「旅をする木」。素敵なタイトルだと思った。
読めば読むほど、私はアラスカに、そして星野道夫さんに魅了されていった。
そして私は今、いつアラスカに行こうか。。と毎日考えている。
何かヒントがないかと開いたパソコンで「旅をする木」についてのコメント欄があったので、(一年越しですが・・・)ついつい投稿してしまいました。
・・・本当にすばらしい本です。星野さん、本当にありがとうございました。
> ぽっぷティーさん
「旅をする木」、本当に良い本ですよね。
アラスカ、憧れの地です。
いつか必ず行きたいと思ってます。