2003年04月29日

星野道夫の宇宙

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先日どういうわけか展覧会「星野道夫の宇宙」の招待券2名分のハガキが送られてきて、それじゃあというので、はまげん&しーしゃんを誘って行ってきた。休みの午後に行ったら予想通りかなり混んでいて、夕方に出直したけどもそれでも人越しに写真の数々を見ることになった。もう何年も前から知っている写真、初めて見る写真、そのどれもが星野さんの人となりを感じさせ、彼の肩越しにアラスカの様々な風景を見させてもらっているようだった。そのうちの何枚かは、彼のエッセイにどういう状況で撮ったのかということが語られていて、少し泣きそうになった。

他人が「これはこれこれこういう状況なのかなー」とか「これの動物カワイイねー」とか言うのを聞いて、「そうそう」とか「それはないんじゃない?」とか「そういう受け取り方もあるんだな」と勝手な感想の感想を心の中でつぶやきながら見ていた。クマやオオカミが同じ地球のどこかに生きていると想像できることが、とても不思議でこころを豊かにする、といった感じの星野さんの文が写真のキャプションとして掲げられていたが、それを見たはまげんが「ああ、オレもビッグフットがどこかにいると絶対思うんだよね!」と言って、オレをグンニャリさせ、しーしゃんに「前にもこういうワケのわかんないこと言ったのよー」とため息をつかせていたのを付け加えておきたい(笑) やっぱり一人で見るのもいいけど、たまには友達と見るのもいいもんだと思ったりした。↑のコメントはどーかと思うけど(笑) ・・・そして、写真家星野道夫は未だにこれだけたくさんの人に愛されているんだなあとまた泣きそうになった。

会場の3箇所くらいに、以前放映されたテレビ番組に同行取材をしたときの星野さんの姿や、生前の星野さんの友人達が彼を語ったVTRが放映されていた。出口付近に置かれたVTRには、エッセイや「地球交響曲第三番」にも登場している友人や星野さんの奥さんで直子さんが、2003年になった今、星野さんに思うことを語っていた。・・・もう限界寸前だった。「ああ、直子さん元気そうだ」とか「ビル・フラーさんってもう80超えているのにすごい元気で安心した」とか「ドン・ロスさんはまだブッシュ・パイロットとしてアラスカの空を飛んでいるんだろうか」と会ったこともないのに(直子さんとは同じ追悼会場にいたことはあるけれども)、その元気そうな顔を見ただけで色んな感情が押し寄せて目の際から涙がこぼれそうになり、不自然にあちこちを見回したことを素直に白状したい。

作家の池澤夏樹が「彼を通して知ったアラスカは、彼が亡くなったことによりまた遠い土地になった」ようなことを言っていたけれども、それでも彼が伝えてくれた極北の地は、たくさんの人の中に有り続けるんだと、率直に思った展覧会だった。

投稿者 いづやん : 2003年04月29日 23:59 | トラックバック
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