« 2004年01月 | メイン | 2004年03月 »
2004年02月24日
ヒッチハイク
最近ヒッチハイクをしても車がつかまりにくいそうだ。というのは去年の夏に長野で知り合ったハイカーが言ってたことなのだけど、僕も実際やってみてそう思う。僕がヒッチを始めた頃は、といってもまだ3年くらいしか経ってないと思うのだけど、行き先を書いた紙を持って立っていれば10分や20分そこらで車が停まって乗せてくれたものだ。ヒッチで東京までライブや展覧会を見に行って、またヒッチで帰ってくる。危険じゃないかとよく聞かれたが、その度に僕は、危険だと思ってる人は初めからヒッチをしないし乗せてもくれないよ、と答えた。僕はこれまた旅先で知り合った友人の影響でヒッチを始めたのだけど、彼は本当にプロフェッショナルなハイカーで、住所さえわかっていれば全国どこでもヒッチだけで、しかもときにはどんな交通機関よりも早く目的地に到着する。彼にはキャリア技術共にとうてい及ばないけれど、僕もこれまでにいろんな面白い体験をした。
僕を乗せてくれるドライバーには、兄系の人が多かった。兄系と言ってもアンチヘテロな人ではなく、矢沢永吉や長渕剛とかを聞いてる意気のいい人のことだ。その車は改造車だったり左ハンドルだったり。普通に生活していてもなかなか接点がないような者同士でしかも興味を持って乗せてくれる人であるから、いろいろ熱心に質問して嬉しそうに自分の話をする。互いの話に互いが驚き、へえ、と頷く。他にも、自分の親くらいの夫婦や若いカップル、大学生の青年やらいろんな人と沢山の、その場限りの話をした。真冬の北海道で僕を拾ってくれたのは沖縄なまりの毛深い青年で、こんなところでヒッチハイクは自殺行為さねーと言っていた。彼は雪が見たい一心で親の反対を押し切り北海道の大学へ来て、一週間で飽きたのだそうだ。雪も寒さもうんざりで、今は太陽と海が恋しいと言っていた。宅急便のトラックに乗せてもらったときは中継所で別のドライバーを紹介され、あっという間に目的地に着いてしまった。最後に積荷の箱を開け、土産だ。ばれなきゃいいんだよ、と僕に渡してくれた。母親くらいの歳の人のときは僕が芸大(当時)だと聞いていろいろと画家や彫刻家の話をはじめ、話についていけない僕に、本当に芸大生か、みたいなことを聞いたので、別に芸術を学びに行ってるわけではありません、と答えた。
いろんなことがあったけど、ついこの間新幹線で九州へ向かいながら、自分のヒッチハイクへの熱が冷めつつあることに気がついた。そこに何かのハプニングや刺激を求めることよりも、値下げされて低賃金となった交通機関で手っ取り早く目的地に着くことの方が重要になってしまったようだ。ヒッチに関しては、ハプニングも刺激も一通り体験し尽くしたと感じているのかもしれない。
大学のとき非常勤で教えていた講師の人と、ある時東京で再会して一緒にご飯を食べた。ヒッチハイクで来ましたという僕に、彼は若い頃の自分の体験談を聞かせてくれた。歌手を目指す友人とヒッチをしておじさんに乗せてもらったのだけど、歌手を目指してますと話すと、おお、じゃあ兄ちゃん一曲うたえや、というはこびに。友人は得意気に当時流行っていたビートルズのgirlを熱唱したところ、兄ちゃん、兄ちゃんの歌には節がねえよ節が、と駄目出しを喰らって説教されたのだそうな。なんとも力の抜けたいい話ではないか
投稿者 umedatetsuya : 00:00
2004年02月01日
脱サーファー
扇風機〜のときに書いた自転車のその後
先月あたまの話。保管所まで取りに行って復活かと思った矢先、今度はとうとう盗まれてしまった。何日か近所を探し回ったけど見つからないので、家で防犯登録書を探したけど、それも行方不明。登録ナンバーわからな出てこんよ、と言われつつ警察に盗難届を出し、ひと月あまり電車と徒歩で生活しておりました。駅やどっかの駐輪場などを通過するたび立ち止まって目を光らせてるんだけど、まあ、見つからない。てなわけで見切りをつけて、ついに中古自転車を買いました。5000円だったけど、買うとき店の前で随分考え込んでしまった。単純にお金がないせいでもあるけど、それ以上に、どこへ行ったか知れぬ愛車が懐かしいようなうしろめたいような、妙な気分になってしまって
やっぱり生活のなかで頻繁に使うモノには、お気に入りを通り越して過剰な思い入れや信頼を寄せていたりする。8ミリやビデオのカメラ、初めて買ったギター、工具類などなどいろいろあるんだけど、中でも3年半乗り続けた愛車には思い入れが多く詰まっていて、盗まれてハイ次、といったあっさりした気分にはなれない。なんやかんやと厄介な代物で、数ヶ月に一度はメンテナンスして車体とタイヤのバランスを調整してやらないといけないし、ペダルを逆回転するとブレーキが斯かる作りでチェーンは外れ易いもんだから、スタート時の力加減が異常に難しかった。それでも何故か変に愛着があって、バイトは毎回片道1時間の距離を漕いで行ったし、車に積んでいろんなところを放浪したこともある。河原の土手や歩道橋の階段を急降下して楽しんだり、ビーチクルーザーならサーファーだよな、とか思ってわざわざ湘南で車を停めて海岸を走ったりもしたなあ。僕の場合、丘までも到達できない部屋サーファーという感じだけど
とかなんとか一通り思いを巡らせて供養を終えた気分になり、新車(中古)をさあ!と思って漕いでると、信号や交差点の度にペダルを逆回転させてしまう自分が妙にせつなかったりするのです
投稿者 umedatetsuya : 00:00