　　Ｍｒ，Ｘでした。

円形脱毛症の考察

　ある病院の看護婦が偶然にきがついたことであるが、本症の患者に静注した時、注射針が静脈壁を刺した時、プツんと音がするという。

脱毛が軽快すると、この現象は、無くなるという。

この事実は、なにを意味しているのだろうか。

考えられることは、静脈壁が硬くなっていることなのか。ぜひ、追試していただきたい。

２００２年7月08日更新

円形脱毛症の考察

　　円形脱毛症に対する治療効果の面だけをみれば、副腎皮質ホルモンの内服療法が最も有効です。
非常に治りにくい汎発性脱毛症でも、このホルモンを比較的大量に飲んでいれば、毛が生えてくることが多いのです。

しかし、残念なことに、薬の量を減らしたり、中止すると、再び毛が抜ける事が多く、一度内服をはじめると、脱毛を押さえるために数年間も、内服を続けなければならなくなり、そのうちにホルモン剤による副作用の心配も出てきます。

円形脱毛症は、美容的な面を除いて、身体的には、ほとんど実害の無い病気であります。

その、病気を治すための治療で、身体に、とり返しのつかない副作用による病気を作ってしまっては、治療する意味がありません。

従って、この病気の治療は、副作用の出るような強い薬剤は、極力さけ、作用のおだやかな薬剤を用いる。

　Ｍｒ，Ｘでした。

円形脱毛症の考察

　　円形脱毛症は代表的な「皮膚科の心身症」と

　いわれている。心身症とは「身体症状に対して心的要因の関与が大きい疾患」と定義されるように心と身体のバランスの乱れが病気の要因になるものである。

したがって、円形脱毛症を心身症としてみると時、精神神経免疫学の概念が重要になる。

精神免疫学の概念＝精神神経免疫学は、精神

（心）と神経（自律神経）との免疫力が相互に影響しあって、病的状態（病気）を生み出すと考え、それぞれの影響を解明しようとする学問である。

しかし、この研究は容易に進展しない。

なぜなら、心、自律神経、免疫力のどれもが「化学的根拠」をもって客観的に評価をするには難しすぎるからである。

　　　それでは、また、一緒に勉強していきましょう。

　Ｍｒ，Ｘでした。

円形脱毛症の考察

　脱毛が、ストレスを感じさせ、益々脱毛を悪化させる実にやっかいな病気である。

円形脱毛症では、副交感神経の働きが低下しています。

その結果、リンパ球が少なくなっていることが多いのです。この症状は、癌などによく見られる現象で、

免疫系がうまく機能していない事を表します。

　　Ｍｒ，Ｘでした。

円形脱毛症の考察

　　脱毛が進行している病巣の皮膚の中では、毛根部周囲や毛母内などにリンパ球が数多く入り込み、

毛を作る細胞がダメージを受け変成し、萎縮している成長期の毛根があちこちに見られる。

このリンパ球は、殆どがＴ細胞で、ヘルパーＴ細胞が多く、毛根の細胞を攻撃していることが判っている。

このため、毛根は、退行期～休止期になってしまい、何年も伸びつずけるはずの毛の伸びがとまり、

脱落してしまう。

病的毛は、このような毛がダメージを受ける過程で見られるものである。

自分のリンパ球が自分の成長期の毛根を攻撃してしまうことから、毛根に対する自己免疫反応が円形脱毛症の脱毛のしくみであるといえる。

回復期の毛根には、リンパ球は、見られず、また、

このリンパ球反応が消失すれば、必ず、健康な毛が再生する。

このことは、どんな病型でも同じである。

　　　Ｍｒ，Ｘでした。

２００２年８月２４日更新

円形脱毛症の考察

　　なぜ、毛根に対するリンパ球による自己免疫反応がおこるのかが問題であるが、色々な面から検討されている。

まず、遺伝的に円形脱毛症になりやすい素質があることが判っている。

実際に、円形脱毛症の人の2割で血縁の家族に円形脱毛症が発生している。

双子の例の報告もあり、そのうち一卵性では、

５５％が二人とも円形脱毛になったのに対し、二卵性では、全て一人のみであったとされ、このことは環境の影響よりは、遺伝的要素が重要であることを示している。

円形脱毛症の発生率がほぼ一定であることも、遺伝的素質の存在を支持している。

アトピー性皮膚炎、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎などのアトピー疾患が、円形脱毛症の人の約半数弱に合併が見られ、また、アトピー性皮膚炎が合併すると円形脱毛症が難治性であるともいわれている。

ただし、円形脱毛症が、アトピー皮疾患と同じ原因で起こるということではなく、円形脱毛症であるとアトピー疾患になる可能性がやや高いといえる。

精神的ストレスが原因であるとする説が古くから主張されている。

実際に、精神医学的に円形脱毛症患者の不安やうつ状態を指摘しているが、原因よりは、脱毛の結果によるによる可能性が高い。

一方、日常、確かになにか精神的ストレスを起こすような出来事があって円形脱毛症になったという人があり、実際に調べてみると円形脱毛症の2割にそのような出来事があるという結果であった。

精神的ストレスがあるとT細胞系リンパ球の機能が変化することが判っており、ストレスが中枢神経を介して免疫になんらかの影響を及ぼし、円形脱毛症の自己免疫反応の引きがねになる可能性はある。

経験上、繰り返す単発～多発例では、ストレスが関係することがあるが、円形脱毛症の人の約八割では、そのようなできごとは無く、だいたいは、遺伝的要素が優先し、ストレスが全くなくても円形脱毛症が起こるのが妥当である。

また、同じようにリンパ球の機能に影響を与える状態を考えれば、決して精神的ストレスばかりではなく、いろいろな感染症や代謝病、あるいは、肉体的負荷なども十分に可能性がある。

こんかいは、少し長くなりました。臨機応変に！

２００２年９月２日更新　

円形脱毛症の考察

　　円形脱毛症は以前からアトピー性皮膚炎あるいは、その関連の喘息、アレルギー性鼻炎などが、かなり関与しているといわれている。

今回の調査でも９９例に見られ、その他湿疹、皮膚炎を併せれば、１４４である。

これらいわゆるアレルギー性疾患の他、乗り物酔い８４例、手足が冷えやすいなどの自律神経系の不安定な症例１５４例を数えることができる。

また、自己免疫疾患といわれる橋本病、尋常性白斑などが１０例であり、胃、十二指腸潰瘍の既往のあるもの１２例であった。

２００２年９月20日更新

円形脱毛症の考察

病理学的には、毛包周囲には小円形細胞の浸潤と種しゅの化学的アタックにたいして安定といわれるメラニンが溶けてメラニン塊をつくって散在している。

これは、免疫学的に毛包がターゲットとされているのではないか、ブラウン等は、循環Ｔリンパ球が、ほぼすべての症例で減少しており、自己免疫過程が、この変化をおこしたものと推定している。

円形脱毛症の考察

　　女性の円形脱毛、たとえ全頭脱毛のものでも、

　　妊娠すると自然になおってしまうことがありま

　　す。

　　妊娠期間中は、多大のホルモンが必要とされ、

　その、要求に答えるためにホルモン機能は自動

　的に調節されます。

　ところが、出産後月経がはじまると、また、だつもう

　がはじまる。

　こうした、妊娠と脱毛、出産と脱毛との一致した

　現象を体内における水分と塩分との存在量にも

　むすびつけて考えた。すなわち、妊娠期間中は、

　妊婦の体のなかに水分と塩分が多量に保有され

　るようになる、これが、毛髪の再生に役だったわ

　けである。

円形脱毛症の考察

　　障害された細胞の組織学的および超微細粒子

　の観察から毛包が疾患の早期に受けたクラスⅠ

およびⅡのＨＬＡ抗体の増加によるものと考えている。

この毛包の変化の周辺には、脱顆粒をおこした肥満細胞が見られると同時に毛包周囲の毛細血管は、アルカリフォスファターゼの染色をみると血流の不全が強いように思われる。

円形脱毛症の考察

　　円形脱毛症の発症と病理学的所見からかんがえると何らかの神経伝達物質が自律神経を介して毛球に影響し、毛包に変化がおこり、メラニンをもった毛母細胞にリンパ球を中心とした自己免疫がおこったものと思われる。

ここで臨床的に重要な所見は、白髪には、自己免疫がおこりにくいことであり、全頭円形脱毛症でも高齢層では、白髪は残り、また、治癒過程でも白髪がまず発毛し、軽快するにしたがって白髪から黒い終毛に替わっていくことが多い。

すなわち、メラニンをもった毛母細胞がリンパ球などのターゲットとなるようである。

円形脱毛症の考察

　　毛髪の色調は、メラノサイトが産生する２種類の

　メラニン（黒いろからブロンドまでの色調に関与するユーメラニンと赤毛に関与するフェオメラニン）

とその量によって、左右される。

円形脱毛症の初期において黒毛が障害され白髪が残ったり、あるいは、治癒期においては、まず白髪が再生毛としてみられる現象にしばしば遭遇することがある。

これは非常に興味深い現象であるが、その理由について現時点では、十分にわかっていない。　　　　

余談ですけど・・・

　はい、どうも、今回は遺伝について述べていきます。最後まで臨機応変にお付き合いください。

まずは、カエルの子はカエル、初心にカエルというのがあります。（前置きはいらないみたい）

　　小さい頃は母親にそっくりだったのに大きくなったら父親そっくりになったね。

動物のキリンは首が長い、人間でもすごーく長い首の人が過去にあったみたいだけど見た人はいない。

キリンの首が短いというのは、見たことも聞いた事もありません。

ヒョウの毛髪をみてみよう。

体全体に美しい柄が描かれていえる。

近くによってみてみよう。ちょっと怖いけど、毛髪の色が部分、部分で違いがある。でも、それは、まだらではなく、あるていどの間隔をおいて、ちゃんと計算されたように整った柄になっている。

これも、親から子へ受け継がれた遺伝子によって、あの素晴らしい柄が受け継がれているのです。

決してキリンの柄には、なりたくてもなれません。

もし、ヒョウが人間と同じヘアーサイクルだったら、あのヒョウ柄は見られません。（毛が短いからヒョウ柄）（もし、長く伸びる、たとえば、２０ｃｍだったら、どんな模様になるのだろう）

このように遺伝子によって受け継がれるわけですが、日本人の人口は、約一億人といわれていますが、誰一人として同じ顔の人はいません。

なんとなく似ているひとはいます。

結婚式に参列するとわかります。

あそこの席は親戚関係だな、あの人はおじさんかなぁーとかかんがえてしまう。あとで本人に聞いてみるとズバリと大当たり。その隣りのせきは、似てもにつかないばらばらの隣組の席でした。

まず、私達は、たった１個の細胞が分裂して出来た。

いまは数え切れないほどの６０兆個にもなっている

と、いわれている。

その１個の細胞（ＤＮＡ）の重さは千億分の１グラムといわれている。その一つの細胞（ＤＮＡ）に３０億文字のＤＮＡ情報が詰まっている。

平凡社の大百科辞典でいうならば、約２５セット分に相当する。

その膨大な遺伝情報量を生まれながらにして生物は、親から受けとり、所持している。

いやがおうもなく子は親から遺伝子を受けとらざるをえないし、親にしてみれば財産はなくても、これだけは子に確実に渡せる物である。

　　　また、長くなってしまった。Ｍｒ，Ｘでした。

２００２年10月23日更新

円形脱毛症の考察

　　　液性免疫異常の存在

　　液性免疫の異常とは、血液中に抗体という

　ものが異常に出現することを意味します。

　　円形脱毛症でも種々の抗体が血液中に発見されることが報告されていますが、最もよくしられているものに甲状腺に対する抗体（抗甲状腺抗体）があります。

円形脱毛症と甲状腺との関係は、外国では詳しい研究がなされていましたが、日本では、ほとんど研究されていませんでした。

３０４名の円形脱毛症の人全員に血液検査を行ない、抗甲状腺抗体が円形脱毛症の人のどのくらいに見つかるかを検討してみました。

抗甲状腺抗体には、抗マイクロゾ―ム抗体と抗サイグロブリン抗体の２種類あります。

円形脱毛症患者では、抗マイクロゾーム抗体陽性者（抗体が見つかる人）は、男性６，７％、女性１０，８％、抗サイグロブリン抗体陽性者は、男性

１，７％、女性３，８％の結果でした。

正常な日本人では、抗マイクロゾーム抗体陽性者は、男性で２，０％、女性で３，２％、抗サイグロブリン抗体陽性者は、男性１，４％、女性３，０％と報告されています。

円形脱毛症患者では、抗マイクロゾーム抗体が男女とも正常人の約３倍もの高頻度に出現することがあきらかになった。

抗甲状腺陽性者の多くは潜在性自己免疫性甲状腺炎と言う甲状腺の炎症の病気が存在することがわかってきています。

つまり円形脱症患者では、この潜在性の甲状腺疾患が少なくとも正常人の３倍は存在することが示されたわけです。

免疫学と精神神経と円形脱毛症

　神経系と免疫系との対話が最近注目を集めている。

人間の精神活動、ことに本能や情動（行動）が、大脳皮質や辺緑系によって調節されていることから、脳への刺激、ことにストレスの負荷による免疫系の変動についての研究が注目されている。

情動ストレスによりＴ細胞系機能が変化することを報告している。

円形脱毛症についても、この方面からのさらなる研究が必要と思われる。

　　考察や研究について順次に述べていきますので、どうぞお楽しみに。

眠くならない程度に。

２００２年11月13日更新

円形脱毛症の見解

　　　過去においては、精神的ストレスが強くいわれ

　　ていましたが、小児にもかなりの頻度で発症す

　ることから疑問視され、現在では、自己免疫説、

末梢神経説などが有力視されています。

アレルギーは、特異いな体質をもった人だけが外部からの異物（抗原）が体内に入った時に抗体という物をつくり、この抗体を持ちつずけいる時に、再び抗原に触れるとこの抗原と抗体が結びついて起こす我々にとって不利益な反応のことです。

たとえば、スギ花粉に触れていて身体の中にスギ花粉の抗体を作ってしまった人が、翌年スギ花粉の飛ぶ季節に触れてしまった場合、これが抗原となって抗体と反応し、いわゆる花粉症と呼んでいるアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎で苦しめられるわけで、原因は、あくまで外部からです。

ところが、円形脱毛症の原因の一つにあげられている自己免疫の場合は、体内で自分が持っている毛球の細胞が異物と誤認されて、Ｔリンパ球が排除しようとして壊してしまうので、そのために成長期毛性の毛球が破壊される脱毛になるのです。

一時的にせよ副腎皮質ホルモンがよく効くということは、自己免疫疾患である可能性が高いわけですが、円形脱毛症という疾患が、いくつかの病因が重なりあって起こる複合疾患ですから、範囲をひろげて考えなくてはならない。

円形脱毛症の考察

　円形脱毛症の毛根の周囲の末梢神経に異常

があり、感覚が鈍いことがしられています。

患部を見ますと白っぽくなっていて、こんにゃくみたいな感覚で毛細血管が見えません。

感覚のテストとして冷水負荷テストがありますが、

これを実施してみると、正常の人ですと冷水に５分間浸して、測定しますと七分程度で元の温度にもどりますが、円形脱毛症の患者さんでは、元の温度に戻るまで三十分近くかかります。

これでは、正常な皮膚の血液の循環は望めず、毛乳頭への栄養補給に大きな障害を起こします。

2003年4月20日更新

　ステロイド（副腎皮質ホルモン）について。

まずは、こんな例え話があります。

　炎症を起こしている細胞を火事で燃え盛っている家とかんがえる。

消防車がきて、外から水をかけてくれる働きをするのが、白血球の中の好酸球という名の細胞なのです。それに対して、家の中に飛び込んで放水する消防士の役目をするのが、ステロイドなのです。

あまり長く水をかけつずけてしまうと、家の中の材木や家具が腐ってしまう。

　　薬は生体にとっっては、異物であるから、副作用のないくすりはない。と、言う。

　クスリはどうしても、おおかれすくなかれ、「リスク」を背負うことになる。

　副作用なければ、主作用無しと、いう。

　円形脱毛症の場合、治癒までが長くかかる場合が多いので、ステロイドの全身投与は、なるべく行わない、という考え方が一般的である。

　命にかかわる副作用を背負ってては、もともこもない。

ですから、このお薬に関しては、専門家の指示に従って（その他の薬剤も同じですが）行う。

　専門家（医師）によって薬剤の違い（あそこの美容室のパーマ液はロレアルだが、ここの美容室は、ウェラだ。！というように）があるが、この薬剤に限っては、ステロイド、＝副作用という、または、副作用の対策まで、入念にしてあるので、「絶対」に自己判断で行わないようにして頂きたい。

こんかいは、硬くなりましたが、また宜しく。

　　　ミスターXでした。