上野地下駐車場問題        
    12 外部監査結果についての連絡会の声明文  
   
 
   
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2007年8月31日、「個別外部監査」の結果がだされました。
この全国でも初めての大型公共事業のあり方を問う「個別外部監査」請求の住民運動を進めてきた台東区民の連絡会の声明文です
声 明           2007年 9月19日
上野地下駐車場の住民による外部監査厳正実施推進連絡会   
代表委員    大木 了二  (税理士)
同       清水 洋    (弁護士)
同       宮内 盛雄  (不忍の池を愛する会代表委員)
同       山田 信之  (司法書士)
 私たちの、昨年9月1日に8000名を超える請求署名により実施させた仮称「上野広小路地下駐車場建設」事業の個別外部監査に関し、本年8月31日個別外部監査人守屋俊晴公認会計士の監査報告書が公表された。

 私たちが外部監査請求を行った目的は、台東区の行政執行部の税金の使い方に対する疑問と、本来区議会がなすべき行政執行部へのチェック機能への不信にもとづくもので、税金の垂れ流しといわれる大型公共事業のあり方についての徹底解明を個別外部監査人に期待したものです。

 監査報告は、独自調査によらず、台東区および東京メトロなど当事者からの聴取や提出資料の範囲で監査した手続きから元より限界のあるもので不十分さ(特に、本件事業の費用便益分析について安易に追認評価をしていることなど)を否定できない。しかし、住民請求による外部監査の趣旨を理解して、私たちが指摘した本件駐車場建設事業計画の本質的問題点と高額な税金を投下する公共事業のあり方につて穏やかであるが厳しい問題指摘を指摘していることは十分評価できるものである。
 この監査結果により、本件事業に関する台東区および台東区議会の対応について、当初予算の適正、追加変更費用の見積り等の管理に重大な問題がることが明らかとなった。

1 台東区が予算化措置の段階において、「9900百万円」の当初予算について十分な調査検討がされておらず、平成18年3月の追加変更により、無駄な税金投入を生んだこと。
2 台東区は技術的な価格管理、確認調整をすることができず、東京メトロに施工、設計監理、業務の進捗管理の一切をいわゆる丸投げしたため、無駄な委託事務費、現場管理費などの追加変更費用を支出したこと。

この監査結果で本件事業の問題が徹底解明されたとはいえないが、少なくとも公共事業のあり方を究明していく端緒を与えるものと評価できる。

それは、第1に、本件地下駐車場建設事業について、立地条件、経済的効果、地域活性化への影響など総合的な観点にたって検討すると、そもそもその適正自体に問題があったことが明らかとされた。

第2に、それにもかかわらず、「明確な目標もなく」「費用便益効果」も十分な検討なしに事業が強行されたのかという疑問について、大規模公共工事における税金垂れ流しの構図が明らかとされた。

第3に、台東区に予算管理能力がないだけでなく、本来これをチェックすべき台東区議会においても、慎重な審議調査をすれば判明できたずさんな予算措置について適正にただすことをしなかったこと。

 このような重大な指摘を受けていたにもかかわらず、区長が全く監査結果を無視した所信表明を行い、反省に姿勢を示さなかったことは、残念という以上に怒りを表明せざるをえない。

私たちは、この監査結果について、台東区民二尋区知らせることはもちろん、全国の自治体に共通する公共事業の根本的問題として、全国民に対しても問題的を為ていきたい。同時にこの監査結果について、議会での慎重審議を求めるとともに、税金を無駄遣いしている台東区政への責任追及を視野に入れてこの監査結果の分析をさらに深めていく所存である。

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