2004年01月25日

最後の侍

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土曜は昼間に新宿での用があったのだが、6時過ぎにそれも終わり、なら公開前からずっと気になっていた「ラスト・サムライ」でも観に行ってみるかという気になり劇場に足を運んだ。以前にトム・クルーズがニュース番組で、新渡戸稲造(五千円札の人)の書いた「武士道」を何度も読んで演技の参考にした、と言っていたを見て、どういう風の吹き回しか岩波文庫版の「武士道」を読了までしての期待の仕方であった。

うん、面白かった。素直にそう思う。ただ、ガイジンがこれを観て、果たしてこの戦いの意味や、トム演じるオールグレンと、渡辺謙演じる勝元やその他の侍衆とのやりとりを理解できるのかというと、ちょっと辛いのではと感じた。大河ドラマを見なれているからか、微妙な心の機微というか日本人に特有なやりとりというかが、中途半端な部分とやたら美化されている部分が目立った。それが最後までのどの奥にひっかかって腹に落ちないまま、映画が終わってしまった、そんな印象 だった。

美術面ではとても頑張っていると思う。勝元の村に行く途中に、するどい峰を持った富士山よりも高そうな山々とか南国風な木々が映ったりしていたが、明治に入ったばかりの和洋入り乱れた横浜の雑踏だとか、日本の古き良き農村など、本当に良く出来ている。衣装もなかなかのものだ。

トムの立ち回り、特に素手で4、5人の刀を持つ連中相手の場面は、殺陣を見なれている日本人が観ても、カッコ良かった。うっかりシビレてしまったくらい だ。渡辺謙の存在感は、他を圧倒している。寺を持っていて武士、みたいなおかしな設定ではあったけれど、まさに「最後の侍」にふさわしい役柄だった。しかしどうも勝元がオールグレンを生かしておいたわけが曖昧だ。英語で会話がしてみたかっただけなのだろうか。それとも捕らえられる直前にみせた勇猛さに打たれたのか。まあ自分自身でも「なぜ彼がここにいるのかわからんのだ」とか小雪演じるたかに言ってしまってはいるが。

いくつか「ここで泣いて下さい」的場面があるが、なぜか泣けなかった。やはり美化され過ぎた侍像にやや引いてしまったのかもしれない。

なんにせよ、監督のエドワード・ズウィックが、日本の文化と侍に、心底惚れ込んでいるのだなあと分かる映画であった。

投稿者 いづやん : 2004年01月25日 22:27 | トラックバック
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