携帯会社を考える時に、つい忘れられがちなのが「ツーカー」だ。カメラ付きもWeb関係周りも付かない携帯を出している(というか、開発する余裕がないんだろうなあ)。
そんな死に体(失礼)なツーカーが、今一部で俄然注目を浴びている。写真は電車に貼られたラッピング広告なのだが、ぱっと見てもなんだかよくわからない。でもこれ、「骨伝導」携帯、の広告なのだ。通常「音を聞く」と言う行為は、鼓膜を振動させて、内耳に音を伝えている。これを頭部の骨を振動させて直接内耳に伝えよう、というのが「骨伝導」の簡単な概念だ。
鼓膜を振動させるのは、聞きたい音だけとは限らない。うるさいところだと携帯からの音の他に耳に入ってくる音もあるだろう。だが、この「骨伝導」携帯だと、例えば、耳に近いアゴの辺りに携帯を押し付けても、ちゃんと骨を伝わって内耳に直接伝わるので、周囲がうるさくても「聞こえる」のだ。画期的ではないか。
今のツーカーは、PCにおけるMacみたいな立場のようだ。他と同じことをやっていてもダメだと気が付いたのだろう。応援したくなって来た。
ちなみに、この技術は実はそんなに目新しいことはなくて、障害者用の一般電話として、少し前から発売されている。ネットで調べたら、ヘッドホンもある。ただし安くても2万円を超えるものなのだが。この「骨伝導」ヘッドホン、耳を塞がず周囲の音も聞こえる上に、ヘッドホンからの音もちゃんと聞こえるので、自転車や車でも安心して使えるのが売りらしい。・・・ということはだ、バイクでも安全に音楽を聞きながら運転できるということなのではないか。快適なツーリングに足りない何かが音楽だとずっと思っていた。だが安全面でヘッドホンはできない。でもこれさえあれば・・・。こう考えたらすごく欲しくなった。
2004年はツーカー発の「骨伝導」ブーム到来の年かもしれない。