「他人は自分を映す鏡」とかなんとかいう言葉を聞いたことがある。自分がどういう人間かは、自分一人ではどうにも判断できない。もし、生まれてこのかたずっと一人だったら、自分が実はどういう性格で、どんな顔かたちをしていて、服装はどうで、興味があることはこれだと、はっきりと言うことができるだろうか。もちろん、主観的に見て「自分はこういう人間だ」とすることは簡単だろう。でもそれは本当にあなたなのか。そうあれかしと思う希望や、願望、自己の過大評価が混じってはしないだろうか。
たくさんの他人の中にいて、その人たちを見て、初めて自分の中の他人と違う部分を認める。それがより間違いのない自分、なのかもしれない。もちろん、何でもかんでも他人と比べたりしなさいと言っているわけではない。それは例えば反面教師であったり、良いお手本であったり、耳を塞ぎたくなるような自分への指摘であったり、思いもかけない賞賛といった、他人からの働きかけから自分のあり方を知る、他人の中の自分を見る、ということなのではないだろうか。
そして、たくさんの人に会うたびに、オレは自分の底の浅さを思い知ってしまう。それも他人という鏡があるからこそ。でもそういう鏡があるからこそ、楽しい毎日が送れるのではないかと柄にもないことを思ってみる。
投稿者 いづやん : 2003年06月27日 01:38 | トラックバック