昼休みに松屋のわきを通ったら、「展覧会 星野道夫の宇宙」のポスターが貼ってあった。もう大分前になるけれど、彼が亡くなった二年後くらいに同じ松屋で展覧会があった。また、大きく伸ばした写真であの風景、生き物たちが見られるのかと思うと、足取りは知らず小躍りになる。その松屋のすぐそばには教文館という本屋がある。そこの二階に上がったら、「ブルーベア」という新刊が目に入った。著者は友人である星野道夫とともに、幻のブルーベアというクマを探す旅に出た。その旅の前後の彼との友情をつづった回顧録であった。
とても面白そうな本だったけど、手にとって今すぐ買うかどうか迷っていたら、平置きしてある本の脇に手書きのPOPで「ブルーベアをお買いあげの方、先着20名様に、『展覧会 星野道夫の宇宙』招待券差し上げます」の文字が目に飛び込んできた。展覧会のチケットは1200円。本は2400円。迷うはずがなかった。さっさとレジに持っていって買い、招待券も無事もらうことが出来た。
券にはポスターと同じホッキョクグマの写真が入っている。展覧会の名前とか開催日時の他に、コピーが書かれていた。「大切なことは、出発することだった」と。それは星野道夫の書いたエッセイのどこかに書かれていた言葉だった。色々準備も検討もしなければいけないかもしれない、でも大切なことは、まず出発してみることだ。それから先はそのあと考えればいい。そんなような話しだった気がする。アラスカに20歳の夏に初めて行ったときの思いを込めた言葉だったか。思い出せない。
そう、本当に、大切なことは、とにかく先に行ってみることだ。それが出来なくなってから一体どれくらい経つだろう。もう、迷っているときでは無いはずなのに。
それはそうと、仕事場に戻ってから、バイトの女の子に「本買ったらタダでもらえたんだよ!」と自慢したら、「私は友達が松屋で働いてるから、タダでもらえるんですよ〜」と言われてしまった。ちぇっ。
投稿者 いづやん : 2003年04月11日 01:31 | トラックバック