幸うすき星

文華書房 A5サイズ 136P 220円
巻末広告は「テレビスター」と同じ
1965年の3月発行

主人公は、ひき逃げ事故にあって意識不明になった母のために、学校を辞めて新聞配達をしたり、お手伝いをしたりして、入院費を作るが、世間の荒波は激しくことごとくうまくいかない。が、友人の健吉の「意識不明の人には愛する人の輸血が良い」と言う根拠の無い助言で、自分の血を母に輸血する手術をして無事成功しハッピーエンド。ところどころに好美節あり。
あと、唐沢さんの復刻本にもなった「うわっその子きれい殺す」の名言はこの本で飛び出しています。

テレビスター

曙出版 A5サイズ 136P 220円
本文の最後に「1965.2」とありますので1965年の2月の発行ではないかと思います。3月に「幸うすき星」が出てますが、同じ月に2冊同時刊行という可能性もあるのでこの本の刊行が3月の可能性も無いことは無いです。

ガラスの仮面的な主役をめぐる戦いが前半、後半は施設の子供達との話。子供達の描写が少しおもしろいです。最後は良く分からないうちにハッピーエンド。

魅せられた乙女

曙出版 A5サイズ 136P 220円

1965年の2月?

自分に対して何か文句を言ったりすると、なぜかその相手が不幸な目にあってしまうという負の能力を持った少女が主人公の不思議な漫画。
お母さんが何気なく「おバカさんね」と言ったせいで階段から落ちて入院してしまったりして、責任を感じた少女は周囲に迷惑をかけないために姿を消し、海の崖から身を投げようとしたところ、カモメに止められこれからも生きることを決心する。なんだそりゃ。
その後人身売買組織に捕まるが探偵に助けられ、その探偵の家で、口を聞けない娘とともにしばらく暮らすことになる。その間、少女の同級生達が力を合わせて捜索するがなかなか見つからない。
少女は探偵に『「おにぎり」と言って相手が「かきのたね」』と応えたらある箱を渡すように頼まれる。実は探偵と言っていた男は悪い組織の人間で少女を利用していただけだった。
ある日、少女は友人の好太郎に町で偶然出会うが「不幸にしたくない」と言って離れようとする。そこに組織の人間が現れ好太郎ともみ合いになるがボクシング部出身の好太郎は男を撃退する。しかし少女は帰ろうとしないため、好太郎は少女を尾行することに。しかしまた見失う。
まだ世話になっている家の人間の裏の顔に気付いていない少女に、口が聞けないと思っていた娘が、危険だから出て行くように助言する。そこに家の主人が現れたので、「もうお使いはしたくない」と少女が告げるといきなり顔が変わり、部下に紐で縛られ鞭で打たれてしまう。だがその部下は実は警察のスパイで悪い人間ではなかったので手加減をしていたりする。その後もかなり無茶なストーリーで少女は香港に売り飛ばされそうになるが、好太郎らの協力もあり警察が踏み込み事件は解決する。例の口が聞けない(と思われていた』少女が実は大ボスだったりするオチまであり、ハッピーエンド。そしてあの負の能力は実は「単なる偶然」だったということで強引に片付けられてしまいました。

上の絵はパロスペシャルではありません

耳売り少女

文華書房(曙出版) A5ソフトカバー 132P 220円
次刊予告「やもり少女」
奥付の著者は原やすみ名義

好美のぼるの代表作にも挙げられる1冊。
夜な夜なマッチ売りならぬ「耳売り少女」が現れ、更にはそれとともに併発する謎の耳切り事件。
その背後には人間と思えない容姿の集団による銀行強盗集団が関係していた。
耳を売る謎の少女(とも子)は強盗の一味のマムシばばぁという不気味なおばさんに毎日蜘蛛やトカゲ、カエルを喰わされ操られていたようで、そこに至る経緯には複雑なものがありそうですが、説明は無く、結局その少女は最後はどこかに消え失せてしまいます。
切り取られた耳に無線が仕込まれていたり、フーッと息を吹くと床の下に穴が開いたりする不思議な仕掛けがあったりと、好美先生の常人には理解できない感性が爆発しています。