architecture

MCA.Chicago/D.A.P
縦31横29p ハードカバー 168P

「杉本博司の建築写真集」ってどんなだろうと思って開いてみると、ちょっと驚きました。すべての写真がもやがかかったようにぼや〜っとているのです。視力低下もここまできたかと一瞬目をこすってしまいました。この写真集の表紙のバラガン邸やスタルクのアサヒビール本社や世界貿易センターなどの有名近代建築はすべて夢の中で見るようなシルエットのみの巨大な物体なのです。通常の建築写真はいかにその構造や設計者の意図を伝えるかということに重点を置かれるので見る者の受け方は明確なのですが、この写真集の作品は見る人によって受け取り方は様々だと思います。よく見えないから逆によく見ようと努力することにより本質が見えてくるかもしれません。

■杉本博司