ケーフェイ

佐山聡
1985/10/25
1000円
ナユタ出版会
青雲社

当時のプロレス界に激震を起こした問題作。
元スーパータイガーだった佐山聡が主催する真剣勝負のシューティングについてなかなか理解を得ることが出来なかったためかなんだか、プロレスのお約束・決まり事を全部暴露し、それによりシューティングの優位性を示そうとしたような内容で、私が小学生の時に読んでいたらすごい凹んだと思われる本です。中学生の時に「プロレスってやらせなんだよ。知らないのー?」と言われ「何がやらせだよ、ゴディのパワーボムやハンセンのウエスタンラリアット見たことあんのかよ!」と本気でキレていたのを思い出します。文自体はターザン山本が書いたと本人が言っているそうですが、この本はヤバ過ぎてプロレス雑誌でもあまり取り上げられなかったようです。更に踏み込んだ内容のミスター高橋の本が出るの「ケーフェイ」から15年ほど待たなければいけませんでした。

まぁ何がどうだろうとプロレスは生き残っていて、ファンもたくさん存在するのが現状ですね。ノゲイラの関節技やミルコのキックは確かに凄いし、五味や桜庭のファイトは本当に魅力的です。だからといって三沢のエルボーや天龍チョップがそれらに及ばないとはちっとも思いません。

別冊ゴングS51/7月号増刊 新・プロレス写真画報

猪木-アリ 夢のスーパーファイト完全詳報号

1976/6/26 伝説の決戦in日本武道館 の直後に発売された特集ムック本です。展望号はよく出てくるのですが、やはり事後のこの号のほうが人気があるのかなかなか市場に出てきませんね。
それまで伝説となっていたこの試合ですが、PRIDE以後はもはや神話にまでなっていると表現しても過言ではないと思います。佐山聡やミスター高橋の暴露本を読んで「猪木は実は弱かった」と誤った認識をしてしまっている人がたまにいますが、猪木-アリとペールワン戦は完全なガチンコだったと書いてあったように、全盛期の猪木の総合への適応力は相当なものだったと思われます。
この特集号では主役は完全に[アリ]で、来日する前のアメリカでの様子や来日後の熱狂的なアリフィーバーにかなりの頁を割いています。試合の写真もアリ中心で、その後に生きる伝説的レスラーになる猪木も完全な脇役になってます。格闘ファンならぜひ一家に一冊!