やまびこ 3
A5ソフトカバー
すずらん出版社 130円 160p
表紙 井川まこ 扉・目次 南あかね
若草かほる「山のかなたに」
ミナミヒロコ「雨降る小路」
桂すみれ「月夜の宝石」
夏目美保「しらかば林」
桂すみれ(南あかね)作品は42p
結構バイオレンスなミステリー
この漫画が掲載されているかされていないかで、この短編誌の印象はまったく違うものになるでしょう。
アリバイ 4
A5ソフトカバー
すずらん出版社 140円 160p
辰巳ヨシヒロ「突風太郎! 大仏殺人事件」
ありかわ栄一「0デス」
南あかね「スープ」
北尾ヨシヒロ「愚かなる犯罪者」
望月あきらの自動車学校
佐藤まさあき「本格探偵の面白さ」読み物2p
装丁川崎のぼる 扉・目次ありかわ栄一
南あかねは39p。ちょっとブラックな完全犯罪ミステリー。
宝石シリーズ第二集
サファイヤ
A5ソフトカバー
すずらん出版社 140円 160p
ミナミヒロコ「くらい家」
桂すみれ「銀のかんざし」
谷みゆき「あすの幸せ」
峰しのぶ「気まぐれ天使」
装丁井川マコ
南あかねの桂すみれ名義短編は40p。病気になった少女をめぐる話。最後はハッピーエンドに。
宝石シリーズ第三集
オパール
A5ソフトカバー
すずらん出版社 140円 160p
牧千恵子「五郎ちゃんと私」
桂すみれ「涙がこおっている」
峰しのぶ「気まぐれ天使」
若草かおる「銀河の流れ」
装丁井川マコ
南あかねの桂すみれ名義短編は30p。父が郵便局強盗をしたことを知った少女をめぐる話。
第4集は「ヒスイ」だそうです。
姿なき犯人
B6ハードカバー
八木のぶはる
半分から突如南あかねになります。
■南あかね 桂すみれ
怪奇オンリーではありませんが後期は怪奇物が多かった為、怪奇系作家でくくります。
ブラックシリーズX No.3 黒い紙上現場
主人公の名前は竜水、第2話の少年の名前も竜水。今回もまったくつながりはありませんが。
最初は強欲老婆が強盗に合うシーンから始まります。
その強盗が逃げる際に主人公の竜水(のちに探偵 霞裕次という人物だと明かされます)にぶつかり、盗んだお金2枚が落ちてそれを警察に届けようと通行人に交番の場所を尋ねたところいきなりその通行人は死んでしまいました。その町ではポックリ病が流行ってて3人が亡くなってしまいました。
話はもう訳分からなくて、その強盗の話と平家の財宝伝説とポックリ病が絡み合い滅茶苦茶なエンディングを迎えます。途中で明らかに主人公の顔が変わるのですが、どうも途中で病気になりしばらくしてから再開したそうです。それだけで顔が変わるのもよく分かりませんが、たぶん南あかねは私生活でも変人だったような気がします
ブラックシリーズX
No.2「黒い十字架」
南あかね 監修とか意味不明なこと書いてあります。
扉には「AAAアブチックミステリィ」と記載。
この話は本当にいい加減です。
父の死後に洋館に召使と二人で住むことになった少年が主人公です。
その召使にはとんでもない習性があり、とにかく目玉を食べたい病なんです。近所の猫や犬の目玉を取ってはアルコールにしばらく漬けておいて、頃合を見ては食べるのです。そのうち人間の目まで食べたくなってきて、少年を狙いだすのですが、少年もねらわれてるのが分かってるのに、なかなか追い出さずに変な駆け引きまでして召使を混乱させます。
その少年は絵を描いていて、応募した絵が東京の展覧会で飾られることになり見に行くと、そこには召使の顔の書かれた絵があり、その絵の作者に「モデルは誰ですか?」と訪ねると「私の想像です」と言われ釈然としないまま帰ります。そしてなぜかその作者はあの貝外丸蔵なんです。でも第1弾とは何のつながりもなく最後までこの画家がなんだかよくわかりません。結局最後は狂った召使と少年がもみあいになって、召使が階段から転落して目玉を飛び出して死んでしまいます。少年は自分のせいにならないように細工をして、周囲も「狂った老人が死んだ」ということで終わるかと思いきや、あの丸蔵から少年宛に少年が召使を殺したことを知ってるかのような手紙が来て少年はドキッとします。
で、いきなり終わります。最後は読者に結末を丸投げで終わり読者を読者の期待を大きく裏切り、「色々張られた伏線はなんだったの!」と切れたくなります。そして、第三弾ではさらにひどくなるのです。
このシリーズは「ブラックシリーズX」というシリーズで1960年前後に発行されたようです。
3号の巻末に次号予告が無いので3号で終わったと思いますがよくわかりません。
タイトルは「黒い階段」なのですが扉には「監獄
No.1」と書いてあります。
監獄にまつわる話は1冊目のみで、「黒」も何が「黒」だかほとんど意味不明です。
原作 釜沢務 とあるのですがこれは南あかねの別名です。たしか大旋風の何巻かでもこの名前を見ました。
[ストーリー]父の共同経営者の十合(そごう)という男とその息子十合十郎(そごうじゅうろう)に会社乗っ取りのために父・貝外大蔵(かいげたいぞう)を殺された息子・貝外丸蔵(かいげまるぞう)が、強大な復讐心からか超人的な能力を身につけて復讐していく話です。十郎の父をまず撃ち殺し、十郎の目を撃ったあとに警察に捕まってしまった丸蔵は刑務所から夜な夜な十郎のもとに現れては呪いの念力のようなものをかけて苦しめ衰弱させていく。十郎は周囲に「夜になると貝外丸蔵がやってきて俺を苦しめる」というようなことを訴えるが、丸蔵は刑務所を監視員に知られずに外出し点呼の時間になると必ず帰ってきているのでアリバイを証明されて、周囲は十郎が狂ったんじゃないかと思い始める。しかし十郎が入院した病院の木野医師が丸蔵抜け出しの証拠を握り刑務所内で再逮捕される。絞首刑が執行されるが、その際に「俺はあの男を呪うぞ 親の仇 呪い殺すぞ!死ねっ!十合十郎!」と叫びながら力尽き、それと同時に十合十郎も病院で死んでしまった。
2・3に比べたらしっかりした脚本で、絵もところどころ強烈なのがあって本格怪奇漫画に仕上がってます。
巻末に「監獄 2号」の予告があり「仮題 目玉を食う男」となっています。