古賀しんさく   「ミイラの母」
小島剛夕     「霧笛」
サツキ貫太   「狂雪」
福田三省     「生首とゆく侍」
山下よしお    「絵姿」

母無し子のトモ子は押入れにあった額縁の女性に夢に見た
亡き母を重ね合わせる。ある夜、窓の外にその女性を見たトモ
子は追いかけて山小屋に。その女性が「私にはあなたにそっくり
な娘がいたの」と言うのを聞いてトモ子はその女性と暮らすことに
決める。が、ある日、そっと出て行くその女性を追ったトモ子は恐ろ
しい光景を目にしてしまう。墓石の下の隠し小部屋に入った女性が
片手片足の無い骸骨を抱いているではないか。そして「やっとお前に
合う手足が見つかった」と囁いていたのだ。恐ろしくなり逃げようとした
トモ子は化け物と化した女性に追いかけられるが寸でのところで、突
然化け物は炎を上げて燃えてしまう。その頃継母が額縁を不吉に思
い燃やしていたのだった。【終】