幽霊部落2

兎月書房 A5サイズ 144p

タイトルからしてキテますが、内容はさらにキテて詳細な解説をすると問題がありそうなので、簡単な内容だけ紹介します。
まず1巻で、国立大学の医師鬼村妖一は政府の要請で信州にあるハンセン氏病患者のかくし部落を調査するように要請され(何の調査なのかは1巻を読んだことが無いので分かりません)探りに行くが、その村で過って二人の部落民を殺害してしまう。逃げ帰った鬼村は政府に異なる報告をし犯罪を隠そうとするが、復讐に燃える部落民から逃れるため点々とし、或る人形師に頼んで仮面を作り別の人間になりすまし、20年後には東京の病院で院長を勤めるまでになる。しかし、ある日仮面を取り、ふと鏡を見ると、そこには病に蝕まれた自分がいるのだった。ここまで1巻。


父と兄を殺された男が鬼村へ迫る中、先に潜り込んでいた幽霊部落の女が鬼村の正体を突き止め殺害を企てるが、鬼村の飼っていたコブラに咬まれ死んでしまう。迫っていた男は女の死体を壁の中に見つけ、更なる復讐に燃える。男は地下に降りてきた鬼村を捕まえ壁に塗り込み復讐を遂げたかに見えたが、その夜に突如大地震があり、地下室の壁が崩れ鬼村に逃げられてしまう。逃げた鬼村は山小屋に住む女に一晩泊めてもらうことになるが、実はその女は鬼女で、寝てる間に突然命を狙われる。中国人の母から妖術を教わったというその鬼女は「私と結婚すれば命は助けてやる」と言い、鬼村はしぶしぶ承知する。かぶっていた仮面を取った鬼村の顔を見ても「似た者同志仲良く暮らしましょう」と喜び、幽霊部落からの追っ手をやっつけてやると意気込む。しかしふとした隙に、天井より降りてきた毒蜘蛛に鬼村は刺されてしまい、体内を滅茶苦茶にされ死んでしまう。その後、鬼女と追っ手の男の対決があるのですが、正体を見せた追っ手の男の顔が鬼村にそっくりだったことで妙な親近感を持ち、結局二人は結婚することになる。
その後二人は文字通り「仮面夫婦」として世間にとけこみ、長男一郎・次女ミミ子を生むことになる。しかし一郎には幼い頃から奇行が見られ、ある日ミミ子を殺害し逃げてしまう。そして夕陽を背に受けて東京へ向かう少年のカットで2巻完結、3部「足のある幽霊」に続くとあります。現在では問題のある描写が見られ、復刻は困難と思われますのでオリジナルで読むしかないと思います。
私自身この2巻を持っていて、1巻3巻を探しています。3巻は刊行されたのかは不明ですが、1巻は確実に発売されているはずなのに見たことがありません。1巻3巻ともに並上の状態であれば(糸綴じでも可)3万円にて買います。状態により買取価格応相談。

■福田年兼