忍法帖3

ひばり書房
A5ソフトカバー 192P 定価150円
装丁 白土三平

久慈あきら「幻法 最後の砦」
よく出来た忍者もの

藤咲のぼる「卑怯者」60p
敵討ちのためのために旅に出ていた武士が、ひょんな事から関わった勘定奉行のトラブルを解決するために、腕の立つ男と決闘をすることになる。その男は御用金横領の罪を着せられていたのだが、それを知らずに決闘した武士はどうしても勝つために止むを得ず、とてつもなく卑怯な技で勝利を収める。しかし、利用されるだけされた武士は直後に、勘定奉行親子に銃撃され虫の息に。しかし息を引き取る間際に「卑怯の保険」として隠していたもう一つの武器で親子を道連れにする。
どんでん返しにさらにどんでん返し、ただじゃ終わらないいばら時代劇。


津野明朗「殺し屋」
福田三省「秘剣終りぬ」

時代中篇漫画集
剣豪伝 6


東邦漫画出版社
A5ソフト 192p 150円
表紙さいとうたかを

藤咲のぼる「血煙り」48p
親子の敵討ちに絡む二人の達人。
最後に血戦1年前の宮本武蔵と佐々木小次郎だということが分かる。

黛ひかる「虫の好かぬ奴」
線の細い現代風な時代劇

構成 ありかわ栄一「秘術 双頭の竜」

構成 嵯峨清良/作画 井口よしみつ「殺 悪人誕生!!」

黒猫別冊
黒真珠 第三集

つばめ出版 A5ソフトカバー 150円 188p
表紙 田中うしお

平木おさむ「銀盤の姉妹」
古賀しんさく「灰色のバレエ」
藤咲のぼる「二つの顔」

黒猫別冊1

A5ペーパーバックタイプ
つばめ出版 172 144p 150円
今村つとむ 監修

今村つとむ「顔に疵跡のある男」
藤咲のぼる「善人」
池三平「殺人計画書」
サツキ貫太「チャンピオンの死」
滅茶苦茶なラスト
多摩海人「静かなる復讐」
浜慎二「雪と少女」

「善人」 24p
片目の視力を失い、もう片方も視力を失う危険のある少女が主人公。父は飲んだくれで手術費どころじゃない。
友人の青年二人が頑張って手術費を作ってあげようとするが集まらない。どうしようか考えたあげくに出した答えが、「ぼくらどちらかが死ねば保険金がおりる」でした。どのように死ぬか決め、死ぬ役目をくじ引き選び、いよいよ決行することに。決行の前に、二人は寝ていた少女の父の枕元で手術しないと視力が無くなることを告げるが、父は泥酔していて反応なし。山で誤って銃を撃ってしまったことにしたのだが、なかなか決心がつかない。そのため一旦離れてから遠方から狙うことに。とうとう撃って逃げ帰る途中、なぜか撃たれた友人が声をかけてくる。友人の傍らには刑事がいて、「山に強盗犯が逃げ込んだ」と告げる。青年が撃ったのはその強盗犯だった。しかも、それは少女の父で、あの日の枕元での会話は実はしっかり聞いていて、手術費を作るために強盗までしてしまったのでした。結局、父の死亡保険金で手術することは出来たが、友人も捕まり、かなりアンハッピーなエンディング。

黒猫別冊4

A5ペーパーバック 192p
大石まどか 監修

大石まどか「自殺」
サツキ貫太「朝やけ雲」
山梨幸二「灰色につづく道」
黒雲竜太郎「殺人未遂」
佐藤よしろう「失われた記憶」
藤咲のぼる「鸚鵡」24p
山内かつよし「闇にあこがる」
古賀しんさく(古賀新一)「恐怖の札束」

「鸚鵡」
重い病のため病床に伏せっている男、とその放蕩息子の話。息子はヤクザになり、集団強盗を企てるが仲間割れで殺害される。殺害現場には鸚鵡がいて、死ぬ間際の言葉「チキショウ親分やりやがったな」という言葉を覚えていた。息子の死亡原因が自殺になっていたことを新聞で知った父は、鸚鵡の言葉から息子がヤクザの親分に殺されたことを知り、復讐を遂げる。そして、その後病院に戻り静かに息を引き取る。その傍らで、あの鸚鵡が例の言葉を呟き続けるのだった。

黒猫別冊6

A5ソフトカバー212P 定価150円
「怪奇スリラー2」は7月8日発売です、の予告

大石まどか「花瓶」
山下よしお「指名手配の男」
藤咲のぼる「絶望」28p
よりたやすお「三角点」
池三平「血ぬられた日記」
古谷あきら「生きていた男」
井上英沖「この家売ります」
黒雲竜太郎「昼なき男達」

「絶望」
強盗の刑期を終えてムショから出てきた男が、共犯者の元に行くが軽くあしらわれて、復讐を誓う。

黒猫別冊7

A5ソフトカバー 212p 150円

今村つとむ「容疑者第三号 前篇」
古賀しんさく(古賀新一)「闇の中の少女」
サツキ貫太「影法師」
藤咲のぼる「煙突」24p


山内かつよし「砂漠に死す」
池三平「死体なき殺人」
多摩海人「勝負」

山下よしお「帰ってきた少女」

「煙突」
ダイヤをめぐって煙突の上で脱走犯ともう1人が決闘。脱走犯は煙突内へ落下し死亡。もう1人が降りようとしたところ、周囲に集団を見つけ、ひとまず留まる。途端にその集団の中の現場監督風の男がボタンを押すと、一瞬にして煙突は崩壊。その煙突、取り壊しが決まっていたのだ。

黒猫別冊17

A5ソフトカバー184p 150円

古賀しんさく「荒くれ野郎」
平木おさむ「馬鹿な奴」
藤咲のぼる「ぶっつけ本番」24p
津野明朗「別れの曲」
多摩海人「変化面」
浜慎二「奇妙な犯罪」

巻末に「浜慎二執筆 スパイ 創刊号」の予告有

「ぶっつけ本番」
役を得たいが為に殺人を計画し、誤って妹を毒殺してしまった俳優の話

多摩海人「変化面」

昔々のとある山村、長年、谷を挟んで源氏と平家の子孫が争いを続けていた。その噂を聞きつけてきた修行僧が、見るに見かねて争いを止めさせようと、「仏の顔を見ればお互い争いをやめてくれれば」と願い、両方の崖に仏の顔を彫るのだが、完成直後に平家源氏双方から弓で射られ谷底へ落ちてしまう。死ぬ間際に「御仏の彫像よ、蛇になれ悪魔になれ、いつまでも争いを続けさせろ」と呪いの言葉を吐くと、崖の仏の顔は悪魔の形相に。
そして現代、今も争い続ける源氏と平家の子孫達。その山村に一郎という腕の達つ青年が弟を探してフラっと現れる。ひょんなことから源氏方の「ちぢれっ毛の鉄(!)」に助けられ、平家との抗争に加わることになる。鉄は一郎に平家方の凄腕[次郎]を討たせようとする。そこで平家の蟹に電話して(蟹!)、一対一の決闘を提案する。鉄は、対決直前に、崖を挟んで対峙した男は一郎の探していた弟だと告げ、「決闘三秒前に兄であることを告げれば、相手はひるむから、その時に引き金をひけ!」と非情な命令をする。しかし、一郎は名乗らずに、横の鉄を銃で討ってしまい、その結果、次郎によって撃たれてしまう。崩れ落ち、谷底へ落下する一郎は崖に彫られた仏の顔に吸い込まれてしまう。そして仏の顔は一郎の顔に変化し、「次郎ーっ、次郎ーっ!」っと叫び続け、それを見て次郎も崖に身を投げてしまう。するとまた、次郎ももう一方の崖の顔に吸い込まれ、仏の顔は次郎の顔に変化する。
兄弟の顔に変化した彫顔は谷の滝を挟んでいつまでも「次郎ーっ」「兄さーん」と悲しく呼び合うのだった。やがて争いごとは消えたという。


話自体は昔話風で悪くないはずですが(まぁ、ちょっと変ですが)、絵がそれに付いていっていないのか、非常にヘンテコな話になってしまっています。ラストシーンは噴き出してしまいました。

次郎〜っ!
兄さ〜ん!

忍法帖 4

ひばり書房 A5ソフトカバー 176P 150円

表紙 白土三平
扉 久慈晃

久慈晃「根毒」
藤咲のぼる「惨忍」
下忍の身分ながら家康のお庭番に雇われることになった信八は上忍の音蔵に狙われるが・・。
青木正太郎「浪人地獄」
清水良「吉凶破軍星」