◆アレックス・ロス ALEX ROSS
1970年生まれ。現在のアメコミ界を代表する作家の一人。1990年にデビュー。
格闘シーンなどはまず写真を撮り、それを絵に起こすという作画方法のために寡作だが、その分クオリティの高さは他の追随を許さない

キングダムカム

1998年4月初版 定価2400円
小学館プロダクション DC SUPER COMICS No.4
シナリオ マーク・ウェイド

スーパーマンとて完全無欠のヒーローでは無い世界。
人類を平和に導くはずのヒーロー達が、暴走を始めてしまう。それを打開しようと引退していたスーパーマンを始めとしたヒーロー達が現役復帰をするのだったが、それがさらなる混乱を招いて、人類を救うか超人類達を生き残らせるかという究極の選択をしなければならない事態を招く。たぶんこんな話ですが、DCの世界観を知っておかないと少し分かり辛いですが、キャプテンマーベルとスーパーマンの激突シーンや、バットマンの戦闘参加シーンなどは凄まじい迫力ですのでぜひ読んでみてください。

アメコミ版では全4冊で刊行、日本語版には12p分が追加収録されています。

「クリストファー・リーヴに捧ぐ
彼は私達に人が空を飛ぶ事ができると信じさせてくれた。」

序文がなんとも素晴らしいです。落馬事故で下半身不随となったリーヴはリハビリを続けながら、社会活動に積極的に参加し、俳優としての活動も再開し始めていましたが、2004年に52歳の若さでこの世を去ることになりました。若かりし頃のリーヴ主演の「ある日どこかで」はとんでもなく素晴らしいファンタジックSFで10年前に衛星放送で観て泣けた記憶があります。

スーパーマン
  VS
キャプテンマーベル

MARVELS
マーヴルズ

MARVEL SUPER COMICS No.046
ライター カート・ビュシーク
1998/2/19 2400円
小学館プロダクション

それまでのマイナー出版社からマーヴルに移って手がけた作品で、この1作の成功により一気に知名度を上げることになります。
この作品もやはりヒーロー達は完全無欠の人気者という訳でもなく、時に苦悩したり市民には疑念を抱かれたりで昔のアメコミにはありえない描写が続出します。