おまけ(携帯に書き留めてあった漠然設定集と完結記念・舞台裏イラスト)




無念
人間の恨み、憎しみ、理不尽な形での悲しみ、やり場のない鬱屈した感情が混じり合い強まって空気中に漂うもの。
街がどれだけ病んでいるかの目安として、感覚の鋭敏な者や『魔』を見る素質のある者、また既に退魔を行っているような霊能者、ひいては本物の悪魔など人外のものは、街の空気の淀みとして体感する事ができる。

情魔
無念が、超自然的なエネルギーとして飛散している魔力によって反応し、無念に込められた悪意や憎しみ、狂おしい程の悲しみや悔恨の念を強く増幅させられ具象化してしまったもの。 見た目は透明に近く形も不定形だが人の無念から生まれたため人の形をしていることが多数。 ある程度の霊感を有する者までがはっきりとその姿を見る事ができる。
核となる魔力のために人間に対して影響力を有し、弱いものでは小さな不幸を呼び起こす程度で魔力を失い自然消滅するが、規模(無念の強さ)の大きいものになると、人を無作為に呪い殺したり、悶々とした負の感情によって自我を失いかけた人間にとりつき、凶悪犯罪を起こす事も可能になる。
無念に満ちた街は、いずれは大なり小なりこのような情魔を生み出し、間接的に住民を不幸にしたり街そのものの治安を悪化させる。

駆死者
上記の中でも殊更に強力な情魔が瀕死または死んで間もない人間の中に入り込み融合してしまう例。
所謂アンデッド。 どのような特性を得るかは、情魔の性質、ひいては死者の無念の質に依存する。
死んでも死にきれない、悪い意味でやり残した事(復讐など)がある、非常に不本意な死をとげた場合に見られる現象。
彼らは無念を糧に動いている。 決して生命ではないチカラに駆り立てられて動く死者、が呼び名の由来である。 元が負の塊である無念の為、善良な者は皆無。 また駆死者たちは悪行を重ねるごとに強い無念や情魔を呼び寄せて取り込み、更に強くなっていく。 早めに手を打たなければとんでもない化け物へと進化する。
駆除するには銀の杭をもって心臓の位置を貫く、思念の源たる首を落とす、あるいは結界・呪縛の技術をもって封印するしかない(弱い者は消滅するが、所詮は時間稼ぎ)。
駆除方法はハンター次第である。

裏話
八話のタイトルが当初『漸増』であった。
後に『具象』と改題、さらに語感がいまいちである事から『逆転』となる。
三話はプロットの段階では『変貌』となる予定だった。